『グッドワイフ』小泉孝太郎、キーマンとしての演技も好評 “日曜劇場の常連”で役の幅広げる
そして現在、小泉は『グッドワイフ』で、またもや視聴者を惑わせている。演じているのは、主人公・蓮見杏子(常盤貴子)の同期弁護士・多田征大。杏子の夫・壮一郎(唐沢寿明)のスキャンダルを機に、彼女を弁護士へと復帰させたキーマンだ。司法修習時代から杏子に惹かれていたが、司法修習を首席で卒業した杏子に対して「俺がどうこうするより、幸せになると思った」と想いを伝えずにいたという多田。しかし現実の杏子は、夫のスキャンダルに疲弊する日々。多田は、そんな彼女にますます思いを募らせていく。
第3話では、壮一郎の一件に涙する杏子を「もう、別の未来を行けばいい」と抱きしめ、第6話では電話越しに「ずっと好きだった。司法修士の頃からずっと」とついに告白(実際は電話口に壮一郎がおり、着信履歴ごと告白の事実を消されてしまうのだが)。杏子を見守る目は得も言われぬ愛情に満ちた多田だが、かたや壮一郎に向ける目は厳しい。「(杏子が)泣いていましたよ、僕の前で」と挑発し、「僕にはあなたが彼女を幸せにできるとは思えない」と。温かな顔があるから一層、この冷徹さにしびれてしまう。
なにかと騒々しい壮一郎より、自分のことを一途に愛してくれる多田先生にしちゃえばいいのに……とついつい肩入れしてしまうが、一方で多田の“情報提供者説”や“黒幕説”まで飛び出すなど、SNSは大いに賑わっている。恐らくそれは、小泉が“良い人”から“信じ切れない人”へとイメージを広げたからこそ。どことなく漂う怪しさは、視聴者を物語に引き込むうえで欠かせない香りであり、小泉はその体現者になったと言えるだろう。
二世と呼ばれる俳優、とりわけ家柄までも明らかであれば、イメージが先行して新たなキャラクター像を作り上げるのは難しい。だが、“爽やか・上品”といった印象を反動にすることで、ダークな役柄まで大きく幅を広げた小泉。多田の本性はさることながら、その先にも、まだまだ私たちの知らない顔を見せてくれるに違いない。
■nakamura omame
ライター。制作会社、WEBサイト編集部、専業主婦を経てフリーライターに。5歳・7歳の息子を持つ2児の母。ママ向け&エンタメサイトを中心に執筆中。Twitter
■放送情報
日曜劇場『グッドワイフ』
TBS系にて、2019年1月13日(日)スタート 毎週日曜21:00〜21:54
出演:常盤貴子、小泉孝太郎、水原希子、北村匠海、滝藤賢一、賀来千香子、吉田鋼太郎、唐沢寿明
脚本:篠崎絵里子
チーフプロデュース:瀬戸口克陽
プロデュース:東仲恵吾
演出:塚原あゆ子ほか
原作:based on “The Good Wife” produced in the United States by CBS Television Studios in association with Scott Free Productions and King Size Productions, and distributed by CBS Television Distribution”
制作:TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/the_good_wife2019/