要潤演じる忠彦の画風に変化が起きる 『まんぷく』に新風を送り込んだ壇蜜のインパクト
そうしていよいよ完成した忠彦の絵は、今までとは全く違うものになっていた。秀子が舞う姿を、強烈な赤い線で表現し、忠彦は新たなスタイルを確立したのだ。そして、その後に書き始めた絵も秀子の画と同様に、ぱっと見ただけでは何の絵であるかは分からないものの、観る者の心に何かを訴える作品に仕上がっていた。描かれているもの自体も斬新であるが、忠彦の画の色味も、また大きく変わっていた。全く新しい画風に対して、神部(瀬戸康史)は「何か、見ているだけでウキウキした気分になってきます」と言い、福子も同様に「何か知らんけど、見ているとウキウキした気分になってきます」と評した。“ウキウキ”。そんな感情を観た者の心の中に作り出すのは、何より忠彦自身が画を描くに際して、今までとは違う情熱の注ぎ方をしていたからであろう。挑戦をし続ける萬平と同様に、忠彦の画風の変化も本作において重要な一コマとなっている。
そして話は変わるが、香田家では、次女の吉乃(深川麻衣)をめぐっても何かが起きそうな気配である。久々に香田家に挨拶に来て、食事をした岡(中尾明慶)と森本(毎熊克哉)の2人であるが、どうやら、白薔薇で一目見たときから吉乃に好意を抱いているようだ。神部はそんな2人の動きを人一倍気にしており、吉乃、岡、森本の三角関係は今後も気になるところである。鈴(松坂慶子)は鈴でお見合い相手を勝手に探したりしているものの、さて吉乃の将来は一体どうなるのやら……?
(文=國重駿平)
■放送情報
NHK連続テレビ小説『まんぷく』
10月1日(月)〜2019年3月30日(土)【全151回】
作:福田靖
出演:安藤サクラ、長谷川博己、松下奈緒、要潤、大谷亮平、桐谷健太、瀬戸康史、岸井ゆきの、松井玲奈、深川麻衣、中尾明慶、毎熊克哉、加藤雅也、牧瀬里穂、松坂慶子ほか
語り:芦田愛菜
制作統括:真鍋斎
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/mampuku/