深川麻衣が振り返る、初主演映画『パンとバスと2度目のハツコイ』での経験と思いの変化

深川麻衣が振り返る、『パンバス』での経験

 映画『パンとバスと2度目のハツコイ』のBlu-ray&DVDが11月21日にリリースされた。『サッドティー』『退屈な日々にさようならを』の今泉力哉監督がメガホンを取った本作は、「私をずっと好きでいてもらえる自信もないし、ずっと好きでいられる自信もない」と、独自の結婚観を持つパン屋勤務の主人公・市井ふみが、ある日、中学時代の“初恋”の相手・湯浅たもつと偶然再会したことから物語が始まるラブストーリーだ。

 今回リアルサウンド映画部では、本作のBlu-ray&DVD発売を記念して、主人公・市井ふみ役で映画初出演にして初主演を務めた深川麻衣にインタビュー。ロングランヒットを記録した本作を改めて振り返ってもらいながら、今泉監督と2度目のタッグとなった『愛がなんだ』や、本作の演技でTAMA映画賞新進女優賞を受賞した喜びについても語ってもらった。
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「『映画って本当に素敵だな』と思えるようになりました」

ーー『パンとバスと2度目のハツコイ』はロングランの大ヒットとなりましが、劇場公開を振り返っていかがでしょうか?

深川麻衣(以下、深川):今回は舞台挨拶もいろんな場所をたくさん回らせていただいたのですが、初めて観てくださった方はもちろん、リピーターの方がかなり多かったんです。「舞台挨拶の話を聞いて、もう1回観たくなって観に行った」という方がたくさんいらしたのがすごく嬉しくて。私や監督が意図していなかった感想をいただいたり、観た方それぞれの考えや意見があったりして、皆さんの中でどんどん新しい見方が生まれていたのが嬉しい驚きでしたし、いい意味で映画が一人歩きしているような感覚がありました。

ーー「意図していなかった感想」で印象に残っているのは具体的にどのようなものだったんでしょう?

深川:ラストシーンの朝焼けの青とか、二胡(志田彩良)が描いてくれたふみの似顔絵の背景の青、洗い流すときの絵の具の青など、色に注目して観てくださった方が結構いらして、「それは意図的に入れているんですか?」と聞かれたのは印象的でした。自分では全く気づかなかったので。あと、たもつ(山下健二郎)とふみが初めて居酒屋に行ったときの帰り道で、偶然立川のバスが通るんですけど、そこに注目して、「あれはあえて何ですか? 偶然なんですか?」と聞いてくださる方もいました。本当に皆さん細かいところまで観てくださっていたので、皆さんの感想を聞くたびに嬉しい気持ちになりました。

ーー映画の公開前と公開後では、作品に対する考え方も変わってきそうです。

深川:そうですね。公開前は早く皆さんに届いてほしいという気持ちがすごく強かった一方で、初めて主演を務めさせていただいたことの怖さや不安も大きかったです。でも、公開されてからは、皆さんが自由に映画を解釈してくださったり、自分の実体験に当てはめて考えてくださったりしているのを目の当たりにして、映画が皆さんのものになっていっているような感覚になり、「映画って本当に素敵だな」と思えるようになりました。

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