新垣結衣&戸田恵梨香、『コード・ブルー』コンビが秋ドラマ主演作で見せる同級生対決!

新垣結衣&戸田恵梨香、同級生対決に注目!

 今どき恋愛ドラマなんて当たらないし、新しい恋愛ドラマなんてそうそう出てこない。そんな空気がテレビ業界に蔓延していた2018年春、男同士の純愛という新基軸を打ち出した『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)の熱狂はいまだ冷めやらず。明らかに風向きが変わりつつあるこのタイミングで、既に恋愛ドラマの第二波はやってきている。

 新垣結衣、松田龍平主演の『獣になれない私たち』(日本テレビ系)と、戸田恵梨香主演、ムロツヨシ共演の『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)、そして、有村架純主演の『中学聖日記』(TBS系)。ゴールデンタイムにストレートな恋愛ものが3作も並ぶのは2016年7月クール以来ではないだろうか。しかも、3作ともクオリティが高くて粒ぞろい。今回は、そんな3作から、新垣と戸田という同級生コンビの新しい挑戦に注目したい。

 新垣と戸田といえば『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』シリーズ(フジテレビ系)で10年来、共演している仲。1stシーズンが放送された2008年の時点ではまだ20歳そこそこ。「顔や髪型が似ていて、どっちがどっちだかわからない」という感想も聞かれたが、他の作品でも主演クラスでキャリアを重ねた10年後の今、もはや2人を見間違える人なんていないだろう。共に1988年生まれで、朝ドラヒロインを経験しておらず、主に民放の連続ドラマに出演しながら存在感を発揮してきた。アラサー女性の共感を着実に得ている2人とも言える。

『獣になれない私たち』(c)日本テレビ

 『獣になれない私たち』は、ガッキーこと新垣結衣が脚本家・野木亜紀子と4度目に組んだ作品。前作、思考実験的なラブコメ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)がスマッシュヒットしただけに、その路線を期待した視聴者も多かったが、蓋を開けてみれば、ガッキー演じる晶は職場でワンマン社長にこき使われているわ、恋人・京谷(田中圭)の家には元カノ・朱里(黒木華)が住み着いているわで、公私共にかなりブラックな状況。その初期設定から事態はさらに悪化し、ただでさえ晶と朱里に挟まれている京谷が、第三のオンナ・呉羽(菊地凛子)とキスしてしまい、それを受けて晶も、呉羽の元恋人である会計士・恒星(松田龍平)と…? というドロドロの展開になってきた。このままではメインの5人が男女間では全パターンで関係したということにもなりかねない。今後も、手元にキャラクター相関図を用意し人物間の線にハートマークを書き込みながら、見守りたい。

 晶の立場は京谷の“彼女”で、不倫ものにおける“本妻”である。それは“夫”の立場である京谷も、“前妻”である朱里も認めている。しかし、京谷のマンションには朱里が居座っているので、いつまで経っても“夫”と暮らせない晶の方が“愛人”に見えてしまう場面もある。第3話では呉羽が京谷を「不倫しているようなもの」となじる場面もあった。もしかすると、このドラマは30代に入ったガッキーにそんな不倫ライクな役柄を演じさせ、大人の女性への脱皮を図った作品でもあるのかもしれない。

『獣になれない私たち』(c)日本テレビ

 第1話で晶は恒星から、「おキレイだけどウソっぽい、完璧な笑顔がキモい。人形みたいな女」と評されるが、まるでガッキーを否定的に見る人が抱くイメージのよう。これは脚本の野木との強い信頼関係があるからこそ、出せたセリフではないか。ということは、本作で“おキレイではない、生身の女性としての”ガッキーが見られるのではという期待も高まる。そう言えば、不実な京谷を責めることもしない晶は、いつになく“やさぐれた”感がある役どころ。後半、もはやピュアな愛なんて信じられないであろう晶が、どんな理由で誰をパートナーとして選ぶのか。または「男なんてどうでもいい」という境地に達するのか。いずれにせよ、ガッキーの新しい面が見られそうだ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる