SKE48卒業から3年 『まんぷく』松井玲奈が女優として成功できた理由を考える

松井玲奈が女優として成功できた理由

 アイドルから女優へ転身して早3年、着々とキャリアを積み重ね、今や演技派女優の1人として数々の作品に出演する松井玲奈。今期のドラマでは遂にNHKの連続テレビ小説『まんぷく』にレギュラー出演することになり、同時に深夜ドラマ『ブラックスキャンダル』(読売テレビ・日本テレビ系)にも登場。陰と陽、全くの別キャラクターを演じ分け、バイプレイヤーぶりを見せている。

 松井と言えば、AKB初の姉妹グループであるSKE48を松井珠理奈と共に創成期から支えてきた1人。生徒会長を思わせる清楚なルックスや、ファンを大事にする姿勢が人気に繋がり、AKBの選抜総選挙では何度も上位にランクイン。また、乃木坂46に交換留学生として選ばれるなど、アイドル時代はファンと関係者から信頼が厚かった。そんな松井は本格的に役者の道に進むため、2015年8月にグループを卒業。元々SKEに入ったのは「お芝居とか舞台が大好きで、AKBは常設劇場があり、舞台に立って経験を積みたいなという気持ちがあって」と、活動前から女優に興味を持っていたことを2016年の『TOKIOカケル』(フジテレビ系)で語っている。

 松井はSKE卒業後、広末涼子や石原さとみなどが出演した若手女優の登竜門的舞台『新・幕末純情伝』の沖田総司役に抜擢。激しいアクションからキスシーンまで本格的な体当たり演技に挑んだ。それから、卒業後連ドラ初出演となった『ニーチェ先生』(日本テレビ系/Hulu)では、ストーカーの常連客役を務め、般若の面のような顔芸や、まくし立てるセリフ回し、酔っぱらってはぶっ倒れ、ゴミ箱をあさるなど、今までのイメージを完全に覆すような壊れた演技を披露し、視聴者に衝撃を与えた。

 SKE時代の『マジすか学園』(テレビ東京)のゲキカラ役で、残虐行為に快楽を覚える演技がハマっていたと一目置かれてはいた松井。『ニーチェ先生』では、福田雄一によるアドリブのような演出と、シュールな間の福田ワールドが絶妙にハマっており、あの清楚で可憐だった松井からは想像もつかない彼女の怪演には、この世界で生きていく覚悟が感じられた。

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