有村架純の実直さが共感を呼ぶ 『中学聖日記』のテーマは恋愛だけではない?

『中学聖日記』は恋愛だけじゃない?

 本作が初演技・初テレビ出演ということで注目を浴びていた岡田健史は、自身の恋心に焦燥感を抱く中学生という役柄にフィットし、幼なさと凛々しさを行き来する表情は見る者を自然と惹きつける存在感をアピールしていた。今後、回を重ねることでさらに新しい表情を見せてくれることを期待したい。

 有村の演技は、主演として、本作全体の切ない雰囲気を見事に作り上げている。生徒による、聖への中傷を含んだ黒板の落書きを消しながら、「教師を辞めない」「頼ってもらえる先生にいつかなる」と宣言するシーンでの演技は、中学生との恋に落ちる聖という役が、決して一時の恋にほだされるような軽い人間でも、常識を度外視するような役柄でもないことを、堂々と視聴者に示す。本作の主人公は、いたって実直で繊細で毎日を懸命に生きる女性であり、視聴者の共感も誘う存在であることを、有村は持ち前の親しみやすさで表現している。

 第1話は、晶が聖への恋心を自覚し、聖へ衝動的に告白するシーンで幕を閉じる。恋人・勝太郎からのプロポーズを喜んでいた聖が、晶の告白をどのように受け止め、2人の恋路が進んでいくのか要注目だ。また、聖の教職者としての評判を下げようと暗躍する影の存在も描かれており、今後のサスペンス的展開への期待も膨らむ初回となった。

(文=島田怜於)

■公開情報
火曜ドラマ『中学聖日記』
TBS系にて、毎週火曜22:00~23:07放送
出演:有村架純、岡田健史、町田啓太、マキタスポーツ、夏木マリ、友近、吉田羊、夏川結衣、中山咲月
原作:かわかみじゅんこ『中学聖日記』(祥伝社フィールコミックス)
脚本:金子ありさ
演出:塚原あゆ子、竹村謙太郎、坪井敏雄
主題歌:Uru「プロローグ」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
製作:ドリマックス・テレビジョン、TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/chugakuseinikki_tbs/

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