永野芽郁が明かす『半分、青い。』鈴愛役の苦悩と喜び「壊れるかもしれないと思った時期もあった」
北川さんから“果たし状”を出されているようだった
――10ヶ月間演じた鈴愛というキャラクターは、永野さんにとってどんな存在になっていますか?
永野:どんな人も、良いところも悪いところも表裏一体だと思います。鈴愛はいつでもまっすくで、これと決めたら曲げない。それがすごくいい方に回るときもあれば、悪い方に回るときもある。「漫画家になる!」と突然宣言したり「社長になる!」と言ってみたり、鈴愛は全部「~なりたいなあ」ではなく「なる!」なんですよね。でもそれを言ったところで本当に行動に移せるかはまた別であって、きっと多くの人が口では言っても最後までやり遂げられない。でも、鈴愛は自分で決めたことは絶対にやり遂げる。そこは本当にすごいなと思いました。だけど、実際に鈴愛がいたら友達にはなれないですね(笑)。菜生(奈緒)ちゃんも、裕子(清野菜名)もボクテ(志尊淳)も、鈴愛にあんなに優しくてすごいと思います(笑)。
――脚本の北川(悦吏子)さんは、実際に永野さんと接して感じたものを鈴愛にも組み込んでいったと話していましたが、「こんなところに自分がいる」と感じたことは?
永野:私は脚本を読めば読むほど、鈴愛と自分が似ているとは感じなくなりました。周りの皆さんから「鈴愛のまんまだね」と言われた部分で、納得できることもあれば違和感を覚えることもあって。奈緒ちゃんは「芽郁ちゃんは鈴愛とまったく違うね」と言っていたのですが、(佐藤)健さんは「鈴愛のままだよな」とも言うし。男性から見る私と女性から見る私でまた見え方が違うのかもしれないですね。
――以前、間宮さんは北川さんからの台本を「“ラブレター”のように感じた」と表現されていたのですが、永野さんはどのように捉えていましたか?
永野:“ラブレター”だとは思ってないですね。北川さん自身を書いている気がしたから、北川さんが望むものが絶対あると思いましたし、私の中ではこれは正解だと思うものが全く分からなかったけど、きっと北川さんはこういう風にしてほしいだろうなという思いもあったので、常に“果たし状”を出されている気がしていて。それは悪い意味ではなくて、「あなたに懸けている」という強い信頼を感じましたし、それが鈴愛として生きる力になりました。次はどんな言葉が並べられて、鈴愛はどんな動きをしているのか。それが楽しみでもあり、怖くもありました。北川さんが作ってくれた“生きる道”を、最後まで歩いていかないといけないなと。
――オールアップの際には北川さんとどんな話を?
永野:朝ドラ=大変、という印象がつくのが嫌で、「大変」ということは言っていなかったんですけど、北川さんから「大丈夫って言っていたけど大変だったでしょ」と。思わず「めっちゃ大変でした!!」って言ったら「だよねぇ(笑)」って(笑)。誰よりも北川さんが大変だったと思うのですが、北川さんから「本当に頑張ったね!」と声をかけていただいて、本当に嬉しかったです。