矢本悠馬が語る、『半分、青い。』ブッチャー役で得た演技の幅 「答えは脚本に隠されている」

『半分、青い。』矢本悠馬インタビュー

自信があった『ロンバケ』のパロディ

ーーブッチャーの妻となるのが幼少期から一緒にいる木田原菜生(奈緒)です。このカップルが好きな視聴者も非常に多いですね。

矢本:2人は結婚しましたが……恋愛結婚ではないです。友情の延長線上という感じで、お互いに歳を重ね、一緒にいることが当たり前になっていた。結婚を迫られた時に、もし要求を飲まなかったら、この当たり前が無くなってしまうかもしれない、こんなに大切な人を失ってしまうかもしれないという怖さがありました。この人を失うことはブッチャーの人生において絶対にあってはいけないことだと。そんな確信と覚悟が、あのシーンで出てきました。勢いでプロポーズするかたちになってしまったと思いますが、一緒にいなきゃダメな存在です。

ーー演じる奈緒さんの印象や、エピソードはありますか?

矢本:奈緒ちゃんとはたくさんコミュニケーションをとっていました。心が綺麗で、ずっと笑顔で、一緒にいて落ち着く人です。なので、カップルになってプロポーズをして結婚するという時のお芝居は、あまり恥ずかしさはなく落ち着いてできました。

ーー奈緒さんとの共演シーンで印象深いのが、北川悦吏子さん脚本の『ロングバケーション』(フジテレビ系)のパロディです。矢本さんが木村拓哉さんが演じていた瀬名をコピーした名シーンは大きな話題となりました。

矢本:長尺で一発撮りだったんです。しかもけっこうなセリフ量だったので大変でしたし、木村拓哉さんの役を演じるというのは衝撃的でした。僕が演じるなんて……と、一旦、木村さんに心の中で謝りました(笑)。そして実際の映像を見て研究し、すべての動作を奈緒ちゃんと完全コピーするつもりで頑張ったのですが、本編で全然使われていませんでした……。どんなかたちでもいいので、あの映像を流して欲しいです!

ーーぜひ観たいです(笑)。

矢本:『半分、青い。』で1番自信のある芝居かもしれません(笑)。

ーー萩尾律とはお金の繋がりだけではない親友ですが、演じる佐藤健さんとの関係はどうでしょう?

矢本:僕はどの現場でも寝ているか漫画を読んでいるかなんですけど、一時期、健くんがなぞなぞの本を持ってきていて、それを一緒に解いていました。いつも健くんが僕より先に解くんですけど、たまに僕が先に解いちゃうと彼はめちゃくちゃ悔しがるんです。そんな時、なんだか律とブッチャーっぽいなと思いました。

ーー涼次役の間宮祥太朗さんとはプライベートで親しいようですが、涼次役を見ていかがでしたか?

矢本:彼は普段はかなり男らしい人なんです。なので涼次のような甘い雰囲気とか、ふわっとしたキャラクター性は一緒にいた時に感じたことがないので、それを見事に演じきっている、やっぱりいい役者さんだなと思います。褒めたくないですけど(笑)。褒めたら逆に「バカにしてんだろ」って連絡きそうなので、けなしてるくらいがちょうどいいです。

ーー物語は終盤に入り、梟会の面々も40代に差し掛かっています。高校生のときと大人となった彼らにはどんな変化がありますか?

矢本:空気とかは変わりませんが、みんな大人になっているし、その中でブッチャーと菜生のコンビがパワーアップしています。以前よりも個性が強くなっているんです。夫婦漫才のように、どちらかがボケたら、どちらかがツッコむ。それがいちゃいちゃしているように見えるような、幸せな姿が視聴者の方々に伝わると嬉しいです。鈴愛は変わりませんね。真っ直ぐで、自分が思ったことをすぐに行動に移す。それが周りからしたら迷惑なこともあるんですけど、許せるし、可愛いし、見守ってやりたいし、応援してやりたい。そんなヒロインです。

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