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佐野岳の叫びは吉岡里帆に届くのか 『健康で文化的な最低限度の生活』受給者に寄り添うことの困難

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 そんな彼のスポーティな魅力は、ここ最近の作品では、アクションがなくとも演じる役と結びついてきたように思う。今作での光役は、スポーツマンとは程遠いキャラクター。佐野が多く演じる、男気あふれる快活な印象は微塵もなく、若くして心身ともに疲れ果ててしまった青年像を、目配せ一つといった細部で体現してみせた。その姿は痛ましいほどである。


 光の父である雷が、えみるたちの前に姿を現す。しかし、それを知った光は全力で逃げ出してしまう。父・雷は見る限り、まっとうそうな、好人物とも思える人物だが、時おり見せる表情はどこか怪しい。やがて父子の関係のシビアな真実が明るみになることだろう。となれば、えみるは彼らの、よりプライベートな領域に足を踏み入れることとなるはずである。

 受給者に寄り添うことの困難。それはこのケースワーカーと受給者との関係にとどまらず、あらゆる場での人間関係にも当てはまるものだとも思える。本作は、改めて他者との関わり方を見つめ直す契機を与えてくれる作品でもあるのだ。次週、この父子の関係はどういった展開を迎えるのか。そして彼らに対して、えみるはどういった動きを見せるのか。ヒリヒリとした緊張感を抱えたまま、これから1週間を待つことになりそうだ。

■折田侑駿
映画ライター。1990年生まれ。オムニバス長編映画『スクラップスクラッパー』などに役者として出演。最も好きな監督は、増村保造。

■放送情報
『健康で文化的な最低限度の生活』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜21:00〜放送
出演:吉岡里帆、井浦新、川栄李奈、山田裕貴、小園凌央、水上京香、安座間美優、谷まりあ、鈴木アメリ、内場勝則、徳永えり、田中圭、遠藤憲一ほか
原作:柏木ハルコ『健康で文化的な最低限度の生活』(小学館『週刊ビッグコミックスピリッツ』連載中)
脚本:矢島弘一、岸本鮎佳
監督:本橋圭太、小野浩司
プロデュース:米田孝(カンテレ)、遠田孝一(MMJ)、木曽貴美子(MMJ)、本郷達也(MMJ)
制作協力:メディアミックス・ジャパン
制作著作:カンテレ
(c)関西テレビ
公式サイト:https://www.ktv.jp/kbss/index.html

      

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