『半分、青い。』永野芽郁と佐藤健の“ナチュラル”で曖昧な関係性を読む
律(佐藤健)の夏虫での突然のプロポーズに関して、具体的な答えが与えられることを予感させられた『半分、青い。』(NHK総合)第113話。プロポーズをしたということは、鈴愛(永野芽郁)のことを律は異性として捉えてくれていたということなのか。それは何がきっかけで生まれたものだったのか。今回に限らず、いつも2人の関係性はどこか曖昧なところを残したままとなり、視聴者に不思議なドキドキ感を与えていた。
裕子(清野菜名)の言葉を借りれば、2人は「ナチュラルで、みんなの中でオープン」な関係性にあるという。確かに、そんな状態が続いていくことが理想なのかもしれない。だからこそ、(2人が意図してそうしているのかは分からないけれど)ぴったりと鈴愛と律の思いが重なり合うことがなかなかない。律がプロポーズをすれば、鈴愛は当時、オフィスティンカーベルの残された漫画家として頑張らなくてはならないという思いから、それを断った。そうかと思えば、お互いに子供ができて再会したときに、今度は鈴愛の方から「律を支えたい」という思いを伝えるも(もちろん、これは厳密な意味でのプロポーズではないが)、その後楡野の家で、結婚しているからという理由ではねられる。これに関しては鈴愛も、恋愛感情抜きに単純に“親友として”ということを強調して言い訳をした。
恐らく、鈴愛と律は2人とも、自分たちがどうあるべきかという明確な姿は今でもはっきりとは分からないままでいるのだろう。というよりむしろ、そこにはっきりとした答えを出さないでいることが、まるでお互いの暗黙の了解のように続いている。ただ、鈴愛から律を「支えたい」と言われた際、律はそのとき「ドキッとした」と振り返っている。だからひょっとすると、今でも鈴愛のことをどこか特別な存在として認識しているのかもしれない……。