ディーン・フジオカ主演『モンテ・クリスト伯』にハマる人なぜ続出? 日本ドラマの新たな可能性

『モンテ・クリスト伯』になぜハマる?

 海外の物語をこうして現代の日本でも起こりうる物語に解釈できるのだという驚きは大きい。今でこそ普通にドラマを楽しみにしているが、これまでの復讐ものや、国際的な犯罪などが関わる物語を国内で観ても、どうしてもリアリティにかけていると感じて白けてしまうことがあったのではないだろうか。そのため、スパイや陰謀が描かれたものは、アジアの他の地域の作品のほうが、ストレスなく観らられると思っていた。

 しかし、違和感があったのは、この国の背景ではなく、解釈であったのだと本作を観て気づく。解釈さえうまくできれば、様々な物語を日本でもリアリティのある物語に作り直すことができるのだ。もしかしたら、このチームで、また別の物語を作るということもあるかもしれない。

 ディーン・フジオカも、番組が始まる前のインタビューで、「怖いもの見たさで見始めても、どんな解釈で日本の『モンテ・クリスト伯』が終わるのか楽しみにしてほしい」と語っていた(TVnavi5月号)。この言葉が、今の視聴者の心境をピタリと言い当てているではないか。

 数々の『モンテ・クリスト伯』を描いた映画作品などを撮影前に観直したディーンは、この物語のテーマを“赦し”と捉えているという。日本版の『モンテ・クリスト伯』の最終回で、復讐を終えた真海にとっての“赦し”とはどんな解釈で描かれるのだろうか。放送が待ち遠しいし、終わるのが悲しいという思いで、今を過ごしている。

■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。

■放送情報
木曜劇場『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』
フジテレビ系にて、最終回21:00-22:48放送
出演:ディーン・フジオカ、大倉忠義、山本美月、高杉真宙、葉山奨之、岸井ゆきの、渋川清彦、桜井ユキ、三浦誠己、新井浩文、田中泯、風吹ジュン、木下ほうか、山口紗弥加、伊武雅刀、稲森いずみ、高橋克典
原作:アレクサンドル・デュマ『モンテ・クリスト伯』
脚本:黒岩勉
プロデュース:太田大、荒井俊雄
演出:西谷弘、野田悠介
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/MONTE-CRISTO/

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