『あさイチ』卒業の井ノ原快彦、『特捜9』で“夜の顔”になるか? 12年間の成長を振り返る
また、演技面においても成長を遂げていると言えそうだ。もともとナチュラルな演技を見せる井ノ原だが、浅輪の成長・出世とともにさらにリアリティーが増している。刑事ドラマは状況説明のようなセリフが多く、棒読みになってしまったり、“説明している感”が出てしまうことがあるが、それも一切ない。ステージ上にいる“アイドル・井ノ原快彦”のオーラを消し、いい意味で刑事らしさを感じることができる。
そして第2話でも、錯乱する犯人に対し一瞬呆れたような顔を浮かべて「悪あがきはやめろ。君は保身のために一番大切にしなければならない人を殺した。それだけが動かぬ事実だ」と、誠実かつ冷静に語りかけ、ベテラン刑事感を醸し出していた。一切の心配なく、安心して見ていられるのが『特捜9』の良さの1つになりそうだ。
第1話の平均視聴率は16.0%、第2話は15.4%と好スタートを切った『特捜9』(数字はビデオリサーチ調べ、関東地区)。新キャラクターである謎多き班長・宗方朔太郎(寺尾聰)とも、どう関わっていくのか楽しみである。3月末で『あさイチ』(NHK総合)を卒業した井ノ原だが、『特捜9』は『あさイチ』に替わる名刺的な作品になっていきそうだ。次は“夜の顔”として活躍を期待したい。
(文=高橋梓)
■放送情報
『特捜9』
テレビ朝日系にて、毎週水曜21:00〜放送
出演:井ノ原快彦、羽田美智子、津田寛治、吹越満、田口浩正、山田裕貴、中越典子、原沙知絵、伊東四朗、里見浩太朗、寺尾聰
脚本:深沢正樹、岡崎由紀子、真部千晶、瀧川晃代、徳永富彦ほか
音楽:吉川清之
主題歌:V6「Crazy Rays」(avex trax)
監督:杉村六郎、新村良二、長谷川康、吉田啓一郎ほか
ゼネラルプロデューサー:大川武宏(テレビ朝日)
プロデューサー:神田エミイ亜希子(テレビ朝日)、金丸哲也(東映)、小高史織(東映)
制作:テレビ朝日、東映
公式サイト:http://www.tv-asahi.co.jp/tokusou9/