“ピュアさ”を巧みに操る永野芽郁 『半分、青い。』などで見せる女子高生役の威力

永野芽郁、女子高生役の威力

(c)2017「ピーチガール」製作委員会

  ただ最近では、2017年の映画『ピーチガール』で、今までのピュアなイメージを逆手に取って、ヒロインの安達もも(山本美月)が欲しいものを何でも手に入れようとする、見た目は天使で本性は悪魔のクラスメイト・柏木沙絵役に挑戦。また、ドラマ『僕たちがやりました』(カンテレ・フジテレビ系)では、窪田正孝演じる逃亡中の幼馴染みの重い気持ちを受け止め、涙ながらに受け入れるラブシーンを17歳にして果敢に挑み、大人の階段を上る思春期のリアルさを熱演した。脱・清純派を匂わせる幅広いキャラクターを演じるようになり、自然体でありながら作品の空気に合わせられる女優へと年齢とともに進化している。

 そして『半分、青い。』で演じるのは、絵を描くことが好きで、温かな家族や友達に囲まれ健やかに育ち、小学3年生のときに左耳の聴力を失った鈴愛。そのハンデも独創的な発想力で前向きに乗り越える明るい女の子だ。どうしても身体的なハンデがあるとウェットな内容になりがちだが、このハンデをものともしない前向きなキャラは、永野が培ってきた自然体の魅力を十二分に発揮でき、まさに適任だと言える。そしてこの物語は、ここからバブル期に入り現在につながってくる予定で、大河ドラマを除きほとんど実年齢に近い学生しか演じてこなかった現在18歳の永野が、大人という未知の領域をどう演じていくのか。鈴愛の成長とともに、女優・永野芽郁の成長が楽しみな作品である。

(文=本 手)

■放送情報
NHK連続テレビ小説『半分、青い。』
平成30年4月2日(月)~9月29日(土)<全156回(予定)>
作:北川悦吏子
出演:永野芽郁、松雪泰子、滝藤賢一/佐藤健、原田知世、谷原章介/余貴美子、風吹ジュン、中村雅俊/豊川悦司、井川遥、清野菜名、志尊淳、中村倫也、古畑星夏
制作統括:勝田夏子
プロデューサー:松園武大
演出:田中健二、土井祥平、橋爪紳一朗ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/hanbunaoi/

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