広瀬すず、鑑別所で清水尋也との関係に終止符ーー『anone』最終話で描かれた後日談

『anone』最終話を終えて

 脚本を担当した坂元裕二は自身のInstagramで、本作で連続ドラマを書くのはお休みにすると語っている。これは4年前から決めていたことだそうだ。残念だが、『anone』を見終わった後だと仕方がないことだと感じる。嘘や偽札をテーマにした結果、本作は坂元裕二のフィクション論とでも言うような自己言及的な作品となっていたが、同時にどこか視聴者を拒絶しているかのような息苦しさがあった。休止するからこそ突き進んでしまった面もあっただろうが、こういう作品を書いた後、ドラマを書き続けるのは相当、苦しいのではないかと思う。

 優れた脚本家だから、舞台や映画でも充分面白い作品は書けるだろう。しかし、坂元裕二が実力を最大限に発揮されるのは連続ドラマを置いて他にはないと思う。気長に次回作を待ちたい。

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■成馬零一
76年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。

■放送情報
『anone』
出演:広瀬すず、田中裕子、瑛太、小林聡美、阿部サダヲ、火野正平ほか
脚本:坂元裕二
演出:水田伸生
チーフプロデューサー:西憲彦
プロデューサー:次屋尚
制作協力:ザ・ワークス
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/anone/

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