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「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメ映画は『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』『レッド・スパロー』

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 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。今週はリアルサウンド映画部の秘めごとだらけの阿部が『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』と『レッド・スパロー』をプッシュします。

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』

 スティーヴン・スピルバーグ監督の『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』。本作は、アメリカ政府がベトナム戦争に関する不都合な真実を隠蔽していた実際の事件を題材にした作品で、偶然にも“例の文書”で連日話題となっているこのタイミングで日本公開される。

 スピルバーグ作品には主に2つの顔があって、『E.T.』『ジュラシック・パーク』などの子供向け作品と、『ブリッジ・オブ・スパイ』『リンカーン』などの政治的メッセージを反映させた大人向け映画に分けられる。

 トランプ大統領就任の45日後に彼から製作が発表された本作は社会的メッセージが非常に強く、一見すると大人向けで、肩に力が入りそうな題材ではあるが、この作品には心を躍らせる要素がたっぷり詰まっている。

 というのは、印刷機や今ではめったに見られない書類を送るエアシューターなどの機械や、記者たちが必死でタイプを打つシーンなど機密文書“ペンタゴン・ペーパーズ”をポスト紙で記事化する過程は、ヒーローでもない普通の人間が政府という巨大な敵に立ち向かうかっこよさがあり、恐竜やエイリアンなどいなくとも思わず童心をくすぐられる。また、ジョン・ウィリアムズが音楽を担当していることもあってか、初めて見る景色、これから起こることへの期待、立ちはばかる政府という敵などストーリーを展開していく中で観るものを引きつける演出が非常に巧み。子供向けだろうが大人向けだろうが「強い敵をみんなでやっつける」というのはシンプルに観ていて楽しい。

 そして、注目してほしいのは脇役が実力派だらけということ。『ターミナル』『ブリッジ・オブ・スパイ』などで何度もタッグを組んできたトム・ハンクスとスティーヴン・スピルバーグのコンビとメリル・ストリープばかりに目がいってしまいがちだが、脇が本当に強い。

 特に『ブレイキング・バッド』好きとして個人的に推したいのが、ジェシー・プレモンスとボブ・オデンカークの共演だ。本作では、『ブレイキング・バッド』で弁護士ソウル・グッドマンを演じていたオデンカークがワシントン・ポスト編集局次長、ギャングのリーダーの甥トッド・アルキストを演じたプレモンスが弁護士ロジャー・クラークを演じている。かつてギャングだったプレモンスが立場逆転し、弁護士としてオデンカークと話している姿は微笑ましい。

 スピルバーグの意図通りメッセージを読み取るのもいいのだけれど、エンターテインメントとして非常によくできた作品なので、強張らずリラックスして鑑賞してほしい。

■公開情報
『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』
全国公開中
監督:スティーヴン・スピルバーグ
製作:エイミー・パスカル、スティーヴン・スピルバーグ、クリスティ・マコスコ・クリーガー
脚本:リズ・ハンナ、ジョシュ・シンガー
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:メリル・ストリープ、トム・ハンクス、サラ・ポールソン、ボブ・オデンカーク、トレイシー・レッツ、ブラッドリー・ウィットフォード、アリソン・ブリー、ブルース・グリーンウッド、マシュー・リスほか
配給:東宝東和
原題:『The Post』
(c)Twentieth Century Fox Film Corporation and Storyteller Distribution Co., LLC.
公式サイト:http://pentagonpapers-movie.jp/
公式Twitter:https://twitter.com/pentagon_movie
公式Facebook:https://www.facebook.com/pentagonpapers.movie/

『レッド・スパロー』

 ジェニファー・ローレンスの影響で前髪を切ったわたしが2作目に推したいのが彼女が主演を務める『レッド・スパロー』。『ハンガー・ゲーム』シリーズの監督フランシス・ローレンスと再タッグを組んだ本作は、ジェニファーが弓矢ではなく美貌……というか身体を武器にスパイとして活躍する。

 世界中でセクハラ問題が物議を醸す中で、春を売ってまで国家のために尽くすという時代の逆を行く本作。脚の大けがで名門ボリショイ・バレエ団での地位を失ったドミニカは、病気の母親の治療費を工面するために、叔父のワーニャ(マティアス・スーナールツ)の指示でスパイ養成学校に入る。

 この学校がトンデモなところで、ターゲットを仕留めるために、相手の深層心理を探り、肉体を使って誘惑する術を強制的に学ばさせる。生徒たちに誘惑方法を教える、シャーロット・ランプリング演じる監督官のせりふ一言一句がパワーワードすぎるのでぜひ注目してもらいたい(個人的には“Magic pxxxy”がお気に入り)。

 で、ジェニファー・ローレンスの過激という言葉では補いきれないほど体当たりで挑んだラブシーンがやはり凄い。彼女のボディーラインは非現実的に美しく、その官能さからは『ハンガー・ゲーム』のカットニス役と同一人物とは思えないくらい。ジェニファー・ローレンスをスターダムに押し上げたフランシス・ローレンス監督は、彼女の魅力を十二分に理解しており、どんな角度からどんな色の下着をまとってどんな髪型をさせればいいのか、完全に知り尽くしている。さすがとしか言いようがなかった。

 またジェニファー・ローレンスだけでなく男性キャストも魅力的。色気のベクトルがマッツ・ミケルセンと同じで、どこかプーチン大統領っぽさもあるスーナールツをはじめ、セルゲイ・ポルーニンや拷問師役のセバスティアン・ハルクなど、どこか影のある色男たちを大画面で堪能できる。

 そして最後にプッシュしておきたいのが、女優サーシャ・フロロヴァ。イライジャ・ウッドが出演する「プラダ」のショートムービー(真っピンクなコートにすらりと伸びた脚で走り回る無邪気さが可愛いのでこれも見てほしい)に登場していた彼女は、スパイ養成学校の生徒として出演している。吸い込まれそうな瞳に、どこか血の通いが感じられないアンニュイな雰囲気、それなのに幼さすら感じるフロロヴァは、少しの役でも恋に落ちること間違いなしだ。

■公開情報
『レッド・スパロー』
全国公開中
監督:フランシス・ローレンス
出演:ジェニファー・ローレンス、ジョエル・エドガートン、マティアス・スーナールツ、シャーロット・ランプリング、メアリー=ルイーズ・パーカー、ジェレミー・アイアンズ
配給:20世紀フォックス映画
(c)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation
公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/redsparrow/

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