吉岡里帆×向井理、“殺された”2人の終着点は? 『きみが心に棲みついた』が描く愛情の形
自分の存在を否定され、精神的に“殺された“経験を持つ2人。共依存関係も、やっと見つけた帰るべき場所(ホーム)なのだといったら、吉崎にも伝わっただろうか。多くの人が生まれながら、当たり前に持っているホームを、自分で作らなければならない人もいる。このドラマは、吉崎のように光の中で生きてきた人が、キョドコや星名のように気付くと闇に落ちていってしまう人がいる、ということを知るきっかけをくれるものだ。フィクションで見聞きするというのは、リアルで出会ったときの免疫になる。どんなことができるのか、想像力が少し広がる。
送金という形で母親とギリギリつながっていた星名。だが、それも断られ、キョドコからも「星名さんから離れたいんです。この先ずっと分かり合える日はこないと思います」と拒絶されてしまった。人は、すべてを分かり合えないもの。だからこそ少しでも触れようと歩み寄ることに愛情を感じる。帰る場所だと思っていた人から、もうその意志がないと言われた星名は、また殺されたような気持ちになっているのではないか。次週はついに最終回。星名の消えてしまいそうな儚い後ろ姿を、闇ごと抱きしめてくれる人が出てくることを願ってやまない。
(文=佐藤結衣)
■放送情報
TBS火曜ドラマ『きみが心に棲みついた』
毎週火曜22:00〜放送
出演:吉岡里帆、桐谷健太、石橋杏奈、ムロツヨシ、鈴木紗理奈、瀬戸朝香、向井理
原作:天堂きりん「きみが心に棲みついた」「きみが心に棲みついたS」(祥伝社フィールコミックス)
脚本:吉澤智子、徳尾浩司
プロデューサー:佐藤敦司(ドリマックス・テレビジョン)
演出:福田亮介(ドリマックス・テレビジョン)
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/kimisumi/