石橋杏奈、主人公に欠かせない役への抜擢続く 『きみ棲み』で見せる自然派女優としての実力
現在放送中の吉岡里帆主演ドラマ『きみが心に棲みついた』(TBS系)で、吉岡演じるキョドコと対立関係にある飯田彩香を演じている女優・石橋杏奈に注目が集まっている。
石橋は去年から今年にかけて、『22年目の告白 ―私が殺人犯です―』(2017年)、『リンキング・ラブ』(2017年)、『泥棒役者』(2017年)、『勝手にふるえてろ』(2017年)、『今夜、ロマンス劇場で』(2018年)と話題作に立て続けに出演。どの作品も主人公の妹、親友、母など、重要な脇役を演じている。
石橋の女優としての魅力について、2014年公開の『百瀬、こっちを向いて。』での神林徹子役に射止められたという映画ライターの折田侑駿氏は、次のように分析する。
「『百瀬、こっちを向いて。』の頃から、真面目で秀才という役柄も含めて、正統派美少女というイメージでした。当時もそうでしたが、最近の出演作でも、主人公のそばにいる大事な脇役を演じています。『22年目の告白 ―私が殺人犯です―』では、22年前の事件で行方不明になった主人公の妹、『勝手にふるえてろ』では、主人公が唯一本音を話せる同僚、『今夜、ロマンス劇場で』では、作品の進行を進める役として、重要な役回りを演じていました。主人公のそばにいるのですが、主役を立てるというよりも自然にそこにハマっている。他のキャラクターが隠れてしまうような主張が強い印象もありません。石橋さんが役に収まって見えるので、しっかりクオリティを上げて演じているのかなと思います。それぞれの役を丁寧に演じているからこそ、作品を支えられる存在になっている気がします。あの作品もこの作品もと、思い返して観ると気付くことが多いのも事実。下手したら主役よりも輝いてしまいそうなルックスではあるものの、違和感なくそれぞれの役に自然とハマる感じが上手いのかもしれません」
また、『きみが心に棲みついた』で石橋が演じている役柄について、ライターの佐藤結衣氏は次のように考察する。
「今回、石橋さんが演じている飯田は、田舎から出てきてダサく見られたくない、“背伸びしている感じがちょっとイタい女性”という役で、彼女の本来の清純派なイメージを打ち壊していく役への挑戦だったのかなと思います。第7話では、星名(向井理)に想いを寄せるあまり、星名がその存在をひた隠しにする母親の自宅まで押しかけてしまうシーンがありました。ドアを開けたときに見せた顔は、心が完全に囚われてしまっているような表情は、石橋さんの爽やかさとは真逆でした」