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キャストを支える“名芸人”に注目! 関西人から見た『わろてんか』の面白さ

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 いつもより遅く起きる土曜日。生放送の情報番組『せやねん!』(毎日放送)を見ながら、ダラダラと朝でも昼でもない時間にごはんを食べ、その流れで『よしもと新喜劇』(毎日放送)に移行するのが関西の小学生のお約束だ。世代によって流行るギャグは違うが、多くの関西人が、“お笑い”と吉本興業の芸人たちを身近に感じながら育っていく。

 そんな同社の創業者・吉本せいをモデルにしたNHKの連続テレビ小説『わろてんか』は、いよいよ残すところ1か月を切った。物語は戦時中に突入し佳境を迎えているが、その中でも特に喜ばしいのが、北村商店の席主代表・亀井庄助役で出演している吉本新喜劇の座長・内場勝則の活躍だ。

 藤吉(松坂桃李)が心惹かれた寄席の元席主として、ボロボロの格好で初登場を果たした亀井。藤吉とてん(葵わかな)に小屋を売ったあとフェードアウトするかと思いきや、そこから風鳥亭の下足番となり、天満風鳥亭の支配人を経て、今や亀井は、席主代表にまで上り詰めた『わろてんか』の“隠れシンデレラ”となった。

 亀井を演じる内場は、吉本総合芸能学院、通称“NSC”大阪校の第1期生。同期には、ダウンタウンやハイヒール、トミーズなどお笑い界を支える大御所が名を連ねており、彼自身も吉本新喜劇の座長を19年間務めているベテラン芸人だ。さらに、内場の妻は吉本新喜劇座員で芸人の未知やすえ。夫婦2人でお笑いを追求してきた内場には、てんと藤吉にも共通する部分があるといえるだろう。

 今まで新喜劇で座長としてストーリーを引っ張ってきた内場は、本作で亀井として脇役に徹することになったが、彼の演技には本物の芸人ならではの面白さがある。物語上、伊能栞(高橋一生)や武井風太(濱田岳)らほかの脇役ばりの活躍は見せないものの、今に至るまで亀井は適材適所で存在感を発揮。てんや息子・隼也(成田凌)を絶妙なタイミングで手助けするほか、亀井が最も活躍したといえる第22週「夢を継ぐ者」の第123話では、他社からの芸人引き抜きを調べるべく、いつもの袴を脱ぎ、スーツとハット、そして虫眼鏡とステレオタイプな探偵姿に大変身。同回での捜査シーンはせりふなしで進んでいったものの、新喜劇で培ったスキルを基に、キレキレのターンと豊かな表情を披露し、見事に笑いを誘った。

 それから、「邪魔するで」が口癖の濱田演じる風太との掛け合いも阿吽の呼吸さながら。“エセ関西弁”がどこか気になる節もある『わろてんか』の中でも、東京出身ながら完璧なイントネーションを披露する濱田が見せるアドリブは、本作の見どころのうちの1つ。ほかの役者ともアドリブシーンがあるが、特に生粋の関西人で芸人の内場とともに生み出す化学反応は、コントとして成立するくらいドラマの雰囲気をがらりと変え、張り詰める展開の中でも絶妙な塩梅となっている。

 ちなみに、「邪魔するで」というのは、新喜劇内でヤクザが押しかけてくる際に発するお決まりのセリフ。内場ら座長が「邪魔するんやったら帰ってー」と返し、ヤクザが帰ろうとするというところまでがセットとなっており、『わろてんか』には関西で育った人間が思わず反応してしまうフレーズが散りばめられていることもある。

      

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