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野間口徹&真飛聖、コミカルさの裏にあるリアリティ 『となかぞ』小宮山夫妻が気になって仕方ない

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 『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)は、様々な悩みを抱えた4組のカップル・家族を描いたコメディタッチのドラマである。深田恭子と松山ケンイチが演じる主人公カップルは、不妊治療に励むカップルであり、コーポラティブハウスの住人には、子供がほしくないカップルや同性愛者のカップル、2人の娘がいる家族が登場する。

 2月15日放送の第5話では、2人の娘をもつ小宮山一家に動きがあった。今回注目するのは、野間口徹演じる小宮山真一郎と真飛聖演じる深雪の関係である。

 野間口演じる小宮山真一郎は、コーポラティブハウス購入後、「家族との時間をつくりたい」と願い、仕事を早期退職している。仕事を辞め、毎日をのびのび過ごそうとする真一郎だが、深雪はそれを良しとしない。深雪は「仕事に行くふりをして」と、真一郎を日中家に居させない。それどころか、いかにも仕事から帰ってきたかのような時間帯に帰宅するよう指示するのだ。真一郎はいささか不満そうな表情を見せるが、カッと怒る深雪に対して従うしかない。野間口の、反発しようとしてもできない情けない演技が、コミカルであり同情心を誘う。

 深雪に急かされるまま仕事を探している真一郎は日中、図書館で時間を潰している。そんな真一郎が見かけたのは、図書館の敷地でダンスの練習に励む長女の優香(安藤美優)だった。深雪が通わせている塾をサボり、優香はダンスのオーディションを受けていた。しかし塾から「優香が来ていない」と連絡を受けた深雪に、塾をサボったことがバレてしまう。ダンスのことを正直に話そうとしない優香に助け舟を出したのが真一郎だった。

 ダンスのオーディションへ行っていたことは知らない真一郎だが、優香が懸命にダンスに取り組んでいるのを知っている。真一郎はその熱意を思い、娘を庇ったのだ。嘘をついて庇った、という行為には賛否両論あるかもしれないが、家族と過ごす時間が短かった彼なりの父親らしさなのだと思う。娘を庇い、「話を合わせなさい」とアイコンタクトをする野間口の目は、娘の成長を大事に想う父親そのものだった。

 野間口徹の演技は味わい深い。尻に敷かれる夫像はとにかく情けなく見えるが、コミカルな演技をすることで、情けないけど応援したくなる人物像をつくりあげる。それでいて、父親、夫、1人の人間として深雪と向き合うとき、それぞれ違った表情を見せることで、まだ描かれていない真一郎と深雪の過去を視聴者に感じさせる。

 一方深雪にも、ただならぬ過去を感じさせるシーンがあった。ドラマ初回から「子供は産むべきだ」と熱弁し、視聴者に強烈な印象を残した深雪。そんな彼女が描く“幸せな家庭”の裏側が明らかとなる。

 第5話冒頭、彼女は友人を招いてパーティーをしているように見えたが、実は全てフェイクだった。「リア充代行サービス」を利用して、「インスタ映え」する写真をつくりあげていただけなのだ。このサービスを利用して、ブランド物のバッグを借りていることも判明した。ここまでの放送で、深雪は自分と正反対の立場にいるちひろに噛みつくシーンが多かったが、それと同時に、彼女のブランド物が目に入ると自分の持ち物を隠すというシーンも目立っていた。見栄を張りたいだけなら、深雪はただの強烈なキャラクターで終わりかねない。しかし第5話では、彼女がなぜ“幸せな家庭”を演じたいのか、その理由が垣間見える。

 真飛演じる深雪は、口調が強く、他者に圧を与える女性だ。他の住人たちと笑顔で向き合うが、どこか相手をけん制しているようにも思える。そんな彼女だが、今回気になる台詞があった。真一郎が優香の父として深雪に意見を言ったシーンである。まだ子供だから、親がいろいろ支えなきゃならないと考える深雪に対し、真一郎は次のように言う。

「受験は優香の意思なのか」
「子供にも意思があると思うけどね」

 その直後である。

      
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