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友達か? 同僚か? 『アンナチュラル』石原さとみと市川実日子の関係から考える、“他者との距離”

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 友達、仲間、同僚……相手と自分との関係性を示す言葉がいくつもある。『アンナチュラル』(TBS系)の第1話から、作品を盛り立てる相性抜群コンビとして描かれていた三澄ミコト(石原さとみ)と東海林夕子(市川実日子)の関係性は、視聴者、そして彼らの周りに存在するキャラクターたちにこれまでどう見え、彼女たち自身はどう思っていたのだろうか。

 2月16日に放送された『アンナチュラル』第6話では、東海林が、参加した高級ジム主催の合コンパーティーの翌朝に、同じくパーティーに参加していた権田原(岩永洋昭)を亡くなった状態で発見。さらに、権田原の友人・細川も突然死したことが発覚し、警察は連続殺人事件とみて捜査を始める。容疑者として疑われた東海林のため、ミコトらUDIのメンバーが奔走する模様が描かれた。

 「連れてくるはずだった友達が来られなくて。岩永(竹財輝之助)さんが好きそうな背の低い系女子だったんですけど」。東海林は合コンパーティーで、ミコトのことをこう紹介した。だが、ちょっとしたミコトとの衝突の際、自身のことをあまり明かしてくれないミコトに対し「自分のことを何も話さないし、何考えてるか分かんない。まあいいけど別に、うちら友達じゃないし」と言い放つ。これにはミコトも「そうね、ただの同僚だし」と返し、「ただの同僚なのに付き合わせちゃってごめんなさい」(東海林)、「いいえUDIラボのためですから」(ミコト)と続く。石原と市川の阿吽の呼吸で刻まれる発言と振る舞いが、冷静に喧嘩を繰り広げている2人の雰囲気をうまく醸し出していた。

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 一方、亡くなった2人の死が、友達4人の間に起きた出来事が原因だったことが判明する。権田原と細川は大学生時代、サークルの悪い仲間と集団強姦事件を起こした過去も持っていた。現在は、仲間うちでビットコインをはじめとするオンライン上の仮想通貨の詐欺事件に関わり、そのうちのひとりである岩永が、合法的に手に入れた4億を独り占めしようと、犯行に及んだ。

 ミコトと東海林のやり取りとは対になるような、久部六郎(窪田正孝)と宍戸理一(北村有起哉)のやりとりも描かれた。事件の情報提供を受け、謝礼を払おうとする六郎に宍戸は「金なんていいって。俺たちもう友達なんだから」と伝える。宍戸は、六郎が週刊ジャーナルのネズミであることをバラすと脅され、代わりに中堂系(井浦新)に関する情報提供を迫っていた。

 本作の脚本家・野木亜紀子が、自身のTwitterアカウントで、本作のもう一つのタイトル候補が『解剖、ときどき恋』だったことを明かしているが、第6話での、“ときどき恋”要素だった、前半の六郎とミコトのシーン。「三澄さん電話で泣いてたみたいだったから」と、ふと側にいてくれていることに気付いた六郎を見て、ミコトは「ありがとう、優しいね久部君は。そのままでいてくれ」と眼差しを向ける。歩き出したミコトの後ろで六郎は「そのままって弟キャラかな?」とボソっと呟いたあと、普段の“三澄さん呼び”から「ミコトさん!」と声をかける。多少の勇気を振り絞ったのだろうが、六郎はとっさに「バイトが生意気っすよね、すいません」と謝ると、「いいよ名前なんてどっちでも」とミコトは承諾。そのあと六郎が嬉しさのあまり「ミコトミコトミコトコトコト」と訳も分からぬ発言で「ミコト」を繰り返すさまは、とても微笑ましく映った。

      

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