「『ビジランテ』は大人版『サイタマノラッパー』」 入江悠監督が明かす、10年前からの変化

入江悠監督が語る『ビジランテ』

「誰かの救いになる映画を」

——メインビジュアルにもなっている、川を三兄弟が渡っていくシーンは非常に印象的です。

入江:『太陽』でも、閉鎖された街と外の世界を繋ぐ場所として、橋的装置を意識的に使っていたんですが、そういった空間と空間を繋ぐ境界線となるものが、映画的で好きなんです。海がない埼玉で育ったせいもあるからか、唯一の“流れていくもの”である川が昔から好きだったのも理由のひとつですね。その思いもあって、川を象徴的に使おうと企画の初期段階からイメージしていました。めちゃくちゃ寒い中での撮影で、役者さんたちは本当に大変だったと思います。ほかのシーンでも、その日の朝から翌朝までの限界を越えた撮影が続いていたので、撮影終了後は役者さんたちから刺されるとすら思っていましたから。

——過酷な撮影を投映するかのように、画面全体に気迫が滲んでいるのを感じました。

入江:日本にはあまりない“ノワール”作品を本作では目指しました。僕が10代の頃、生きることの残酷さや、主人公が報われることのない現実を描いた作品に救われるものがあったんです。自分の苦しさを映画が引き受けてくれているような気がして。本作も、決してハッピーエンドではないし、説明的なセリフもなくて、お客さんにとっては不親切な映画になっているかもしれません。お客さんにどう受け取っていただけるかは分かりませんが、この映画が誰かの救いになればうれしいです。

(取材・文=石井達也)

■公開情報
『ビジランテ』
テアトル新宿ほか全国公開中
出演:大森南朋、鈴木浩、桐谷健太、篠田麻里子、嶋田久作、間宮夕貴、吉村界人、菅田俊
脚本・監督:入江悠
音楽:海田庄吾
配給:東京テアトル
2017年/日本/カラー/125分/R15+
(c)2017「ビジランテ」製作委員会
公式サイト:http://vigilante-movie.com

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<応募締切>
12月19日(火)

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