僕は松本人志監督の大ファンなんだーー『シンクロナイズドモンスター』監督が語るアイデアの源泉

『シンクロナイズドモンスター』監督インタビュー

「アンが関わってくれたことによって、すべてがやりやすくなった」

ーーアン・ハサウェイが演じたグロリアは彼女がこれまで演じてきたようなキャラクターとは異なり、“ダメ人間”として描かれているのが印象的でした。彼女は今回、主演だけでなく製作総指揮も務めていますが、どのような経緯で本作に関わることになったのでしょうか。

ビガロンド:僕はビッグネームの映画作家ではないから、こういった企画を立ち上げても主演にアンを迎えることができるなんて夢にも思っていなかった。実際この作品も、僕がこれまで手がけてきたような、もう少し小さな規模の作品を想定していたんだけど、エージェントのおかげでアンの元に脚本が渡ることになったんだ。たまたま僕が家にいた時に、アンのエージェントからこの脚本を彼女に読ませてもいいかという電話がきたんだ。僕からしたら「もちろん! 読んでもらえるだけでも光栄だよ」という感じだったんだけど、その時点では「彼女に演じてもらえることができるかもしれない」と思うことすらしないほうがいいと思っていた。だからその後、彼女自身がやりたいと言ってくれた時は本当に驚いたし、こんなに運がよくていいのだろうかという感じだったね。本当におとぎ話のようだったよ。

ーー彼女とのコラボレーションはどうでしたか?

ビガロンド:彼女が関わってくれたことによって、すべてがやりやすくなったね。アンは、グロリアのモチベーションや細かいニュアンス、ユーモアやドラマ性などを瞬時に理解してくれた。実はグロリアのキャラクターは僕自身がもとになっているんだけど、アンと僕がすぐに繋がって、共感し合うことができたのが大きかったね。ある意味、アンと僕は似ているのかもしれない(笑)。だから現場ではまるでクラスメイトと一緒に映画を作っているような感覚だったよ。

(取材・文=宮川翔)

■公開情報
『シンクロナイズドモンスター』
11月3日(金)より新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー
監督・脚本:ナチョ・ビガロンド
出演:アン・ハサウェイ、ジェイソン・サダイキス、ダン・スティーヴンス、オースティン・ストウェル、ティム・ブレイク・ネルソン
原題:「COLOSSAL」
配給:アルバトロス・フィルム
2016年/カナダ/英語/110 分/シネマスコープ/5.1ch
(c)2016 COLOSSAL MOVIE PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト:http://synchronized-monster.com

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