>  > 『警視庁いきもの係』は今夏の隠れヒット作

橋本環奈に「コスプレか!」 登場人物にツッコミたくなる、今夏の隠れヒット『警視庁いきもの係』

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 視聴率こそ1ケタ台だが、SNSや口コミサイトを見ても、識者たちのコラムを拾っても、「おもしろい」という声ばかり。『警視庁いきもの係』(フジテレビ系)は、今夏の隠れたヒット作と言っていいだろう。

 同作には「一風変わった刑事モノだよね」「“動物で謎解き”は狙い過ぎじゃないの?」なんて先入観を軽く吹き飛ばす、緻密な計算が施されている。

 まずプロデューサーの仕事である作品全体のバランスが絶妙。1話完結で見やすい刑事モノに、動物の癒しを絡めた映像は、ファミリー視聴の多い日曜夜にピッタリだ。動物にまつわる大小の事件を描き、豆知識を交えながら事件解決につなげていく脚本も、「なるほど」「そうなの?」と思わされ、不自然さはない。

 キャストは、すっかり演技派の重鎮になった渡部篤郎と、アイドル・橋本環奈のデコボココンビに、美男美女枠の三浦翔平と石川恋、浅野温子・でんでん・長谷川朝晴の曲者俳優、子ども向けの横山だいすけおにいさんまで、全方位対応。薄圭子(橋本環奈)の婦警姿に対する「コスプレか!」を筆頭に、「登場人物全員にツッコミたくなる」という意味では、多彩なキャラクターが舞台を駆けまわる喜劇舞台のようにも見える。

 細かいカット割りでテンポを生み出したり、須藤(渡部篤郎)と四万十拓郎(横山だいすけ)が寒いダジャレを連呼したり、エンディングでキャスト全員が動物の着ぐるみと踊るなど、脱力した世界観を徹底。刑事モノだけに殺人事件も多いが、暴力や無残な死体が登場するシーンはない。その上で、「須藤の頭部に銃弾が残っている」という連ドラらしいミステリーも用意しているなど、丁寧な仕事ぶりが光る。

獣医ばかりの動物モノに風穴を開ける

 それにしても、ここまで多くの動物をさまざまなカットで見せるドラマは見たことがない。これまで動物を扱ったドラマと言えば、2003年の『動物のお医者さん』(テレビ朝日系)、2010年の『獣医ドリトル』(TBS系)、2014年の『獣医さん、事件ですよ』(日本テレビ系)などがあったが、いずれも獣医が主人公の物語だった。刑事が主人公の動物ドラマは、それだけで画期的と言える。

 また、これまでの動物ドラマは、「毎週メインの動物が決まっていて、それ以外はほとんど映らない」というのがお約束だった。しかし、『警視庁いきもの係』はメインの動物こそ決まっているが、ネコ、イヌ、ニワトリ、ハリネズミ、フェレット、ミニチュアホース……スキをみてさまざまな動物が映り込んでくる。

 たとえば第8話では、メインとなるフクロウが薄の頭に飛び乗ったり、クネクネと首を振って愛きょうを振りまいたり、クークーと鳴き声を出したり、足をバタバタさせてご飯を食べるなどのサービスショットを連発。その合い間を縫うように、ネコ、フェレット、インコ、コウモリが登場した。

 タレントネコ・ティティ(スコティッシュフォールド)をはじめ、動物たちの演技は素晴らしく、謎解きに絡む繊細な動きも難なくこなしている。さらに、それをしっかり映像化しているスタッフの技術力と努力も称賛しておきたい。

      

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