猫×西島秀俊の生活に癒される 『ブランケット・キャッツ』の心温まるストーリー

 ドラマ『ブランケット・キャッツ』(NHK総合)が6月23日より放送開始し、早くもSNSなどで「癒される」と話題になっている。重松清の短編小説集『ブランケット・キャッツ』をドラマ化した今作。家具の修理屋を営む椎名秀亮(西島秀俊)は、亡くなった妻(酒井美紀)が残した7匹の猫の新しい飼い主を探す。ブランケットと共に2泊3日でトライアルされる猫たちを通じて、人々の人生に彩りを与えていく。

 このドラマに癒されるポイントは2つある。まず、単純に登場する7匹の猫たちが可愛いのだ。ドラマの冒頭シーンは、椎名が起床してから朝食を食べ、彼が働き始めるまでの一幕。セリフはほぼなく、彼の生活の中には猫たちが自然といることが分かるシーンだ。チャイ、たま、みこ、キー、むぎ、ペコ、クロとそれぞれ配役名が与えられており、演じる猫たちはプロの“役者猫”だ。性格やキャラクター性も決められている。第1話のゲスト役である立花ヒロミ(蓮佛美沙子)が、猫を譲って欲しいと椎名のもとを訪ねるシーンがあった。死んだ猫の身代わりに、と話す立花に椎名はムッとするが、彼の肩に乗った猫がいるからか、何ともほのぼのとしたシーンに見えてくるのだ。猫の可愛さは偉大だ。

 立花が猫の身代わりを探していたのには理由があった。祖母が大好きだった猫にそっくりな椎名の猫を見せ、認知症になってしまった祖母を安心させてあげたいというものだ。立花は、さらに椎名へ“婚約者の身代わり”をして欲しいと依頼してくる。しかし、立花の祖母はその嘘を見透かしたように、娘へ背中を押す言葉を投げかける。猫をきっかけに、一人の人物が変わっていく様子は、可愛さとはまた違った温かな心の癒しを与えてくれる。

 椎名の幼馴染であり、獣医師の藤村美咲(吉瀬美智子)は、椎名にとって良き理解者だ。妻を亡くした椎名を思ってか、猫の飼い主探しを気にかけている。吉瀬にとって、『ブランケット・キャッツ』は、産休からの復帰作でもある。一般的には、クールビューティーといったイメージがある彼女だが、演じる藤村は椎名をいじり、いじられといった幼馴染の間柄。ドラマの放送前日には、『ごごナマ』(NHK総合)に西島と吉瀬が出演していた。2人は、今回のドラマで初共演。番組の中で話している様子は、ドラマの役となんら変わらない等身大の姿だ。 

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