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竹内涼真、岡山天音、シシド・カフカ……『ひよっこ』“あかね荘”の手ごわい住人たち

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 この6月より新展開を迎えたNHK連続テレビ小説『ひよっこ』に、次々と新しいキャラクターたちが登場している。

 茨城から集団就職で上京後、勤務していた向島の工場が閉鎖され、失踪中の父とも所縁のある赤坂の洋食レストラン「すずふり亭」で、ウェイトレスとして働くことになった主人公・みね子(有村架純)。すずふり亭の裏にある“広場”には、店の従業員たちをはじめ、近隣の和菓子屋「柏木堂」の店主(三宅裕司)と息子(古舘佑太郎)、中華料理店を営む夫婦(光石研・生田智子)など、「あかね坂商店街」の人々が、入れ代わり立ち代わり姿を見せており、みね子の周囲は慌ただしい。

 そして、その“広場”に面した一角にある木造アパート「あかね荘」で、みね子は初めての一人暮らしをスタートさせるのだが、そこには大家の立花富(白石加代子)をはじめ、一癖も二癖もある“手ごわい”人々が住んでおり……というのが、これまでの流れだ。墨田区向島の「乙女寮」から港区赤坂の「あかね荘」へ。ここでは、そんな「あかね荘」に住む人々を、そのキャリアともども改めてチェックしていきながら、徐々に浮き彫りとなってきた本作のテーマについて考えてみることにしたい。

Ⅰ号室 久坂早苗(岩手県出身)/シシド・カフカ

 あかね荘の1階Ⅰ号室に住むのは、岩手県出身“自称”25歳の女性、久坂早苗だ。有楽町で“オフィスレディー”として働く彼女の私生活は、依然として謎に包まれている。常に何かにいら立っているようで、周囲の人間に対する言葉もきつい早苗役を演じるのはミュージシャン、シシド・カフカ。2012年のメジャーデビュー以来、175センチという高身長で、黒髪ロングヘア―を振り乱しながらドラムを叩き、そして自ら歌うというスタイルで、シーンに鮮烈な印象を残している。そんな彼女だが、沢尻エリカ主演のドラマ『ファーストクラス』(フジテレビ系)で、菜々緒演じる「川島レミ絵」の猟奇的な姉「ナミ絵」を演じて以降、女優業にも進出。

 前クールの『視覚探偵 日暮旅人』(日本テレビ系)で見せたドSな女刑事役など、これまで破天荒な役どころが多かった彼女だが、今回の早苗役はそれとは少々異なるようだ。初登場時には、カチューシャで髪をまとめ、綺麗な額と凛々しい眉毛を露わにするなど、黒髪ストレートに前髪パッツンな従来のイメージとは異なる姿を披露。思いのほか“昭和”にフィットしたその風貌に驚いた視聴者も多いのではないだろうか。不愛想ながらも、どうやら性根は優しい(?)早苗役を、彼女はどのように演じるのか。今後の女優業を考える上でも、ひとつ試金石となる役どころと言えるだろう。

 Ⅲ号室 新田啓輔(富山県出身)/岡山天音

 みね子が住むことになった2階のⅤ号室の隣で暮らすのは、漫画志望の青年、新田啓輔だ。同郷である藤子不二雄に憧れて上京するも、一向に漫画家として芽が出る気配がなく、貧乏暮らしを続けている啓輔。そんな彼を演じているのは、先日22歳になったばかりでありながら、すでに“若きバイプレイヤー”として、その地位を築きつつある個性派俳優、岡山天音(あまね)である。

 2009年、『中学生日記』(NHK)でデビューして以来、その出演作は数知れず。近年では、『ライチ☆光クラブ』、『帝一の國』といった話題の映画にも出演するなど、もはや「イケメンの横に岡山天音あり」といっても過言ではない状態となっている。ちなみに、この秋公開を予定している映画『氷菓』では、「乙女寮」の住人として登場した小島藤子との共演も決定。この後に紹介する竹内涼真とも『帝一の國』で共演済みであるなど、その活躍の幅は実に広い。『ひよっこ』では、間もなく登場するであろう彼の“相棒”ともども、コメディ・リリーフとしての役割も期待されているだけに、そのコミカルな演技に注目したい。(参考:『帝一の國』で人気急上昇! 岡山天音は次世代の“名バイプレーヤー”だ

Ⅵ号室 島谷純一郎(佐賀県出身)/竹内涼真

 そして、みね子のもうひとりの隣人は、以前すずふり亭の前で財布を落としたときに小銭を拾ってくれた通りすがりの大学生・島谷純一郎だった。みね子と同年代でありながら、どこか泰然自若とした雰囲気を漂わせ、その冷静沈着とした物言いで、みね子を戸惑わせる純一郎。実は佐賀の製薬会社の御曹司であることが発覚した彼を演じているのは、注目の若手俳優、竹内涼真だ。

 東京ヴェルディユースから俳優の道に進んだという異色の経歴を持つ彼は、『仮面ライダードライブ』(テレビ朝日系)の主役に抜擢されて以降、映画『青空エール』で演じた高校球児役など、いわゆる「イケメン」タイプというよりも、女子だけではなく男子からも慕われる質実剛健なリーダー役を得意としている。映画『帝一の國』で演じた実直な好青年・大鷹弾役は、その最たるものと言えるだろう。

 しかし、今回の純一郎役は、御曹司たちのなかにあって唯一の庶民派でありながら、リーダーとしての資質に目覚める『帝一の國』の役どころとは、ある意味真逆のキャラクター。この、どこか影のある純一郎役を、彼はどんなふうに演じるのだろうか。そして、みね子との関係は、どんなふうに発展していくのだろうか?(参考:竹内涼真、朝ドラ“イケメン枠”に抜擢! 『帝一の國』などで見せた“爽やか青年”という武器

 “労働”と“夢”――『ひよっこ』が描き出すもの

 以上、あかね荘で暮らす人々に加え、年末に里帰りして以降、音信不通になっていた、啓輔の相棒・坪内祐二(富山県出身)役として浅香航大がついに姿を現した。さらには、すずふり亭の料理長・牧野省吾(佐々木蔵之介)の“ワケアリな娘”由香役として島崎遥香が、もう間もなく登場するなど、続々と新キャラクターたちが投入される『ひよっこ』。そんな本作が、ここへきて浮き彫りにし始めているのは、“労働”と“夢”というテーマである。「人はなぜ働くのか」、そして「働くとはどんなことなのか」。

 みね子の職場であるすずふり亭の人々をはじめ、あかね坂商店街の人々は、みね子に単にお金を稼ぐためだけではない“労働”の意味を改めて考えさせる。それに対し、OLとして働きながら、お見合いを繰り返しては断られ続けている早苗、漫画家になることを夢見ている啓輔、いずれは親の後を継ぐことが決定していながら都会の大学に通い、自身の夢を模索している純一郎など、あかね荘で暮らす人々は、同年代の若者たちが持つ“夢”や、その“将来”について、改めてみね子に考えさせる存在となるのだろう。

 さらに注目したいのは、「乙女寮」の人々同様、彼らの登場時に必ず“出身地”が合わせて提示されていることだ。みね子も含め、さまざまな理由によって上京し、それぞれの思いのもと、東京で暮らしている登場人物たち。それは、地方出身者たちが織りなす「東京」という場所の姿を、改めて視聴者に提示してみせるのだった。

      

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