BOMIの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』評:ベビー・グルートは真似したくなるかわいさ

BOMIの『GotG Vol.2』評

 音楽も『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』には欠かせない要素のひとつ。前作に引き続き、今作も”エレクトリック・ライト・オーケストラ”や”フリートウッド・マック”など音楽のチョイスがすごくよかったですね。こういうジャンルの映画で、主人公が70年代~80年代の音楽をカセットテープで聞いているという前作のアイデアはものすごく革新的でした。前作が公開された2014年って、日本でもカセットテープブームが再びやってきた時期で、この作品の影響でさらにそのブームが加速した印象でした。今作もその流れを踏襲しながら、最後にはカセットテープからの“進化”も描かれている。そこはカセットテープのままがよかった気もしなくもないですが(笑)、あえて外している感じも観ていて楽しかったです。

 音楽を無理矢理作品に入れようとすると失敗することも結構ありますが、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズはその点、大成功。サントラも絶対欲しくなる内容で。最近は『ラ・ラ・ランド』や『SING/シング』、『美女と野獣』、『ワイルド・スピード』などサントラがヒットする作品も多いですよね。日本の作品ではあまり思い当たる例がないように思いますが、映画の中に歌をどんどん入れて、歌と映画が同時にヒットするという流れも結構あって、それは、コンテンツビジネスとしての機能を失いつつある「音楽」の、これからの未来のひとつの活路だなと感じます。

 あと、エンドロールも面白かった! エンドロールとあわせて映像が出てくるやつ、私、昔っから大好きなんです。ジャッキー・チェンのアクション・シーンのNG集とか(笑)。作品の世界観を壊さずに最後まで楽しむことができるのも、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ならではだなと。これを機にマーベル作品をもっと観てみたくなる映画でした。

(取材・構成・撮影=宮川翔)

■BOMI(ボーミ)
シンガー。2012年6月に日本コロムビアよりミニアルバム『キーゼルバッファ』でメジャーデビュー。2015年にセカンド・アルバム『BORN IN THE U.S.A.』を発表。そして昨年12月にはTOKYO RECORDINGSプロデュースによる最新アルバム『A_B』をリリースした。モデルや女優としても活躍中。公式サイトTwitterFacebook

■公開情報
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
全国公開中
監督:ジェームズ・ガン
製作:ケヴィン・ファイギ
出演:クリス・プラット、ゾーイ・サルダナほか
原題:Guardians of the Galaxy Vol. 2
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)Marvel Studios 2017
公式サイト:http://marvel.disney.co.jp/movie/gog-remix.html

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「作品評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる