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NHKとテレビ東京、ドラマ制作の意外な共通点 “視聴率にとらわれない”独自路線を読む

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自由な演出、短い放送時間、コアターゲット

 NHKとテレビ東京。「かたや公共放送、かたや民放5番手」であり、その立ち位置は真逆だが、なかなかどうして。ドラマに関しては、自由度の高い演出、短い放送時間、コアを狙うターゲット設定などのコンセプトは非常に似ている。

 その理由は、ひとえに「視聴率にとらわれない」姿勢に他ならない。民放他局は、視聴率という基準での過度なマーケティングで似たような作品を連発している。たとえばNHKとテレビ東京には、民放他局でよく見られる“勧善懲悪の一話完結”ドラマがほとんどない。

 それは「こういうジャンルで、こんな主人公がいて、最後はこうなるドラマを作れば視聴率が獲れそう」という考え方をしていないからだろう。実際、NHKは翌週までに必ず再放送をしているし、テレビ東京に至ってはネットで先行配信している。最初から視聴率ありきでないことは明らかだ。

 同様に、スポンサーと芸能事務所への配慮や、コンプライアンス対策の自主規制もさほど見られず、プロデューサーは自分のやりたいテーマを選び、演出家と脚本家に伸び伸びと仕事をさせている。「民放他局とは制作過程が根本から異なる」ことが明確な差別化となり、視聴率には表れない“隠れ熱狂的ファン”を生み出しているのだろう。

 ともに、「スタッフサイドの一人よがり」のような作品を生み出すこともあるが、ふだんのチャレンジを知っている視聴者たちは、それすらも「今回はやっちまった」とほほ笑ましく見ている。現状これといった課題は見当たらないだけに、民放他局が制作スタンスを変えない限り、支持を集め続けるのではないか。

■木村隆志
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月間約20本のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などに出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。

      

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