“人生への渇望”がある限り、踊り続けるしかないーー『T2』が20年の歳月で示したもの

『T2』が20年の歳月で示したもの

 しかし、“人生への渇望”がある限り、この場所で踊り続けるしかないのだ。ときには逃げ出すのもいいだろう。けれども、残してきた過去は、決して消え去りはしない。要は、それといかに真正面から向き合うことができるのか。そして、それを踏まえた上で、どうやって一歩を踏み出すことができるのか、である。ダニー・ボイルとキャストたちが、それぞれの「20年」を持ち寄りながら、「時間」という有無を言わさぬ説得力によって軽やかに打ち放つそのメッセージは、必ずしも『トレインスポッティング』リアルタイム世代だけに響くものではないように思うのだが。若い人たちも是非一見して、その思うところを率直に綴って欲しい。

■麦倉正樹
ライター/インタビュアー/編集者。「smart」「サイゾー」「AERA」「CINRA.NET」ほかで、映画、音楽、その他に関するインタビュー/コラム/対談記事を執筆。

■公開情報
『T2 トレインスポッティング』
丸の内ピカデリーほかにて公開中
監督:ダニー・ボイル
脚本:ジョン・ホッジ
出演:ユアン・マクレガー、ユエン・ブレムナー、ジョニー・リー・ミラー、ロバート・カーライル
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト:http://www.t2trainspotting.jp

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