邦画だけれど邦画じゃない『バンコクナイツ』の目線 空族は“微笑みの国”の裏側をどう描いた?
日本側から海外の事情を描こうとすると、どうしても第三者目線や日本人目線になりがちだ。でもこの作品は、そのどちらでもない。現地の風を自らの肌で直に感じ取り、その実態と一体になって、まるでドキュメンタリーのように表現に載せた部分に魅力を感じる。“作りたい映画を勝手に作り、勝手に上映する”がモットーである「空族」だからこそ、実現できる自由な発想と世界観。またこの手の内容の作品では強調されがちなラブシーン、ベッドシーンをほぼ取り込まずして、ここまでの生々しさを感じさせるとは奥が深い。
光と影。邦画だけれど邦画じゃない、ニュータイプのアジア映画を発見した気がした。
■大塚 シノブ
5年間中国在住の経験を持ち、中国の名門大学「中央戯劇学院」では舞台監督・演技も学ぶ。以来、中国・香港・シンガポール・日本各国で女優・モデルとして活動。日本人初として、中国ファッション誌表紙、香港化粧品キャラクター、シンガポールドラマ主演で抜擢。現在は芸能の他、アジア関連の活動なども行い、枠にとらわれない活動を目指す。
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■公開情報
『バンコクナイツ』
2月25日(土)テアトル新宿ほか全国順次公開
監督:富田克也
脚本:相澤虎之助、富田克也
出演:スベンジャ・ポンコン、スナン・プーウィセット、チュティパー・ポンピアン、タンヤラット・コンプ ー、サリンヤー・ヨンサワット、伊藤仁、川瀬陽太、田我流、富田克也
製作:空族、FLYING PILLOW FILMS、トリクスタ、LES FILMS DE L'ETRANGER、BANGKOK PLANNING、LAO ART MEDIA
配給:空族
2016年/日本・フランス・タイ・ラオス/182分/DCP
(c)Bangkok Nites Partners 2016
公式サイト:www.bangkok-nites.asia