早見あかりと島崎遥香、福田組で演技バトル? 『スーパーサラリーマン左江内氏』のコメディエンヌぶり
『勇者ヨシヒコ』シリーズをはじめ、今年公開の映画『銀魂』、『斉木楠雄のΨ難』を手がけるなど、テレビ、映画とその名を轟かせ続けている演出家・福田雄一。現在放映中のドラマ『スーパーサラリーマン左江内氏』(日本テレビ系)も、福田節が炸裂し、毎週多くの視聴者を笑いに誘っている。
主役を務める堤真一をはじめ、ムロツヨシ、佐藤二朗、賀来賢人、中村倫也といった、福田組を知り尽くした役者が揃う中、初参戦ながら福田組の空気にぴったりとハマっているのが、蒲田みちる役の早見あかりだ。
堤真一演じる左江内英雄と同じ職場で働く蒲田は、部下であるにも関わらず左江内に対しての尊敬の念は一切なく、むしろ上司を小馬鹿にしている役だ。堤、高橋克実というベテラン俳優を前に、一切怯むことなく福田演出定番のパロディや、アドリブも随所に挟みこまれてると思われる台詞の嵐を、早見は何の違和感もなくこなしている。
ともすれば、上司への馴れ馴れしさは、嫌味ったらしくなったり、視聴者を不快に思わせてしまう可能性もある。しかし、こちらもびっくりしてしまうような変顔と愛嬌、連鎖する台詞と芝居に反応する瞬発力を持つ早見の芝居には、それがまったくないのだ。第6話(2月18日放送回)では、約2分間にも及ぶ長回しの「妄想ひとり語り」(上司の休日の行動を勝手に決めつけ、その1日を喋り続ける)を披露しており、さながら落語家のような話芸だった。
そもそも、早見は2011年にスタートしたシチュエーションコメディドラマ『ウレロ☆シリーズ』において、劇団ひとり、バカリズム、東京03といった“お笑いモンスター”たちに6年間にわたり鍛え抜かれてきた。すでに福田雄一が監督を務める『銀魂』への出演が決まっているが、今後も福田組に欠かせない女優として、若手女優一番のコメディエンヌとして、ますます活躍していきそうだ。
そんな早見と同じく、福田組初参戦ながら今後も重宝されそうなのが、元AKB48の島崎遥香だ。第3話で見せたアイドルネタ、自虐ネタのオンパレードは多くの視聴者が驚き、笑ってしまったことだろう。福田演出にある“度を越した過剰さ”を、島崎はそれが当たり前かのように体現していた。AKB在籍時、“塩対応”として有名だった島崎だが、ドラマや映画のようなフィクションの世界こそ、飾らない彼女の魅力が引き立つのかもしれない。参考:(島崎遥香の自虐ギャグで“福田ワールド”炸裂! 『スーパーサラリーマン左江内氏』が斜め上すぎる)
ドラマの最後には、“恋ダンス”ならぬ、たやすく真似できない超本格ダンスが話題となっている本作。そのダンスシーンの中でも、元ももいろクローバーである早見と、元AKBである島崎のダンスはそのキレと佇まいで他の出演者たちとは一線を画しているのも面白い。劇中では2人がアイドルだったことを忘れてしまうコメディエンヌぶりを発揮しているが、アイドル時代に培ったスキルをしっかりと見せてくれているところもファンにとっては嬉しい要素だろう。