成馬零一の直球ドラマ評論
木村拓哉と浅野忠信の共演は、日本エンタメ史に残る“事件”だ 『A LIFE』配役の背景を読む
木村拓哉は、2004年にウォン・カーウァイの中国映画『2046』に出演しているが、木村ほどの実力があれば、いずれは海外で活動したいと考えていた時期もあったのだろう。しかし、国民的アイドルとしてあまりにも成功しすぎたために、海外進出のタイミングはとれなかったが、もしかしたら海外で活躍する浅野の姿を見て、思うところがあったのかもしれない。
第3話で檀上は「あの時、カズじゃなくて俺がシアトルに行っていたらどうなってたんだろうな」と言うのだが、檀上にとって沖田は、もう一人の自分なのだろう。時代を作った二人の俳優の邂逅が本作に何をもたらすのか? 続きが楽しみである。
■成馬零一
76年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。
■放送情報
日曜劇場『A LIFE〜愛しき人〜』
毎週日曜よる9時〜9時54分
出演:木村拓哉、竹内結子、松山ケンイチ、木村文乃、菜々緒、及川光博、浅野忠信ほか
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/ALIFE/