松坂桃李の“影”と濱田岳の“光”、堤ワールドをどう築く? 『視覚探偵 日暮旅人』第1話レビュー

 旅人はある事件をキッカケに、視覚以外のすべての感覚を失っているためか、影がある。話し方は柔らかく、性格は穏やか。しかし、どこか空虚であり、“生”を感じさせない。謎も多く、狂気じみた一面も垣間見える。そんな旅人とは対照的に、雪路はいつも明るく、ムードメーカー的な存在。口は悪くがさつだが、人情味に溢れている。服装も、紺や茶色など地味な色かつシンプルなアイテムを着用する旅人と、カラフルな配色かつ装飾や重ね着などでゴテゴテしている雪路。

 正反対のキャラクターであるからこそ、互いの個性が際立つ。そして何より、松坂と濱田だからこそ関係性が自然なのだ。濱田は「主演の松坂桃李くんを、僕なりに支えて行きたいと思います」(引用:公式サイト)とコメントしている。濱田演じる雪路が旅人を支えるように、実際の松坂と濱田の関係性も似ているのかもしれない。2人の間に生まれる空気感は自然で、安定感がある。また、松坂、濱田ともに若手ながら経験豊富なため、表情や仕草が妙にリアルだ。堤が作り上げた世界観にも、違和感なく溶け込んでいる。

 旅人の幼少期に一体何があったのか、またヒロインである山川陽子(多部未華子)は旅人の過去にどう関係するのか。まだまだ謎が多い『視覚探偵 日暮旅人』。今後の展開が楽しみだ。

(文=戸塚安友奈)

■番組情報
『視覚探偵 日暮旅人』
毎週日曜日よる10時30分〜
製作著作:日本テレビ
公式サイト:http://www.ntv.co.jp/tabito/

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