『山田孝之のカンヌ映画祭』『銀と金』『レンタルの恋』……見逃せない新ドラマは?【深夜編】
オルタナティブな漫画原作ドラマ
最後に紹介するのは、深夜でも定番となりつつある漫画原作のドラマです。まずは、映画『ちはやふる』、『君の名は。』、そして念願の歌手デビューによって、昨年一躍注目を浴びるようになった上白石萌音が、連ドラ初主演を果たす『ホクサイと飯さえあれば』(1月24日(火)25時28分~/TBSほか)。こちらは、鈴木小波の“インドアご馳走漫画”のドラマ化作品となっています。東京・北千住で一人暮らしを始めた人見知り&妄想癖のある女子大生が、アイディア満載のD.I.Y.レシピで美味しいご飯を作っては食べるという物語。ちなみに、“ホクサイ”とは、彼女が大事にしている、人語を話すぬいぐるみの名前なのだとか。彼女と同じ大学に通う友人役を、近年女優としてのキャリアも着実に重ねている池田エライザが演じることも、個人的には注目の一本です。深夜グルメドラマの草分け、『孤独のグルメ』シリーズの宝来忠昭が監督を務める作品とのことなので、今季の“飯テロ”は、本作で決まりですかね?
同じく漫画原作でも、もともとツイッターで評判となり、そのアイディアをもとにコミック化、それがこのたびドラマ化されるなど、実にイマドキな経緯で生まれたのが、『ラブホの上野さん』(1月18日(水)26分~/フジテレビ)です。紳士的な態度と論理的なアドバイスが人気のラブホスタッフ・上野さんが、迷える男女に恋愛指南するという本作。主役の上野さんを『実写映画 テニスの王子様』などで人気の本郷奏多が演じることも話題の一本です。共演は、松井愛莉、柾木玲弥、大沢ひかるなど。こちらは、フジのオンデマンド(FOD)で先行配信されるようです。
一方、ネクスト・ブレイクを狙う2.5次元のイケメンたちが大挙して出演する『男水!』(1月21日(土)24時55分~/日本テレビほか)は、Webマンガサイトで連載中の人気コミックが原作のドラマです。主役の松田凌をはじめ、宮崎秋人、赤澤燈、佐藤永典、小澤廉などが演じる弱小水泳部員たちが、廣瀬智紀演じるコーチとの出会いを通じて変わっていくという競泳青春群像劇。水泳の名門校へと進学した、安西慎太郎演じる主人公と幼馴染みのライバルとの確執も注目の一本です。泳ぐには、まだまだ肌寒い季節ではありますが、5月には同キャストによる舞台版の上演も決定しているとのことなので、2.5次元ファンの方は、そちらも要チェックです!
ちなみに、同じ日本テレビでは、今クールの深夜唯一の小説原作となるドラマ『増山超能力師事務所』(1月5日(木)23時59分~)が、深夜ドラマの先陣を切ってスタートします。『武士道シックスティーン』、『ストロベリーナイト』、『ジウ』など、映像化作品も多い人気作家・誉田哲也の小説を、前クールの『砂の塔~知りすぎた隣人』(16年/TBS)など、近年俳優としての仕事も積極的に行っている田中直樹(ココリコ)主演でドラマ化した本作。その内容は、超能力が社会的に認知された世界を舞台に、一級超能力師である主人公が、浅香航大、中村ゆり、柄本時生らが演じる二級超能力師たちを集めて探偵事務所を開き、さまざまな依頼に応えていく、日常系SF作品(?)となるようです。
以上、前編・後編合わせて、合計23本のドラマを一挙ご紹介させていただきました。さあ、あなたはどのドラマを観る? いずれにせよ、新しい一年の始まりです! 今年もよろしくお願いいたします。
■麦倉正樹
ライター/インタビュアー/編集者。「CUT」、「ROCKIN’ON JAPAN」誌の編集を経てフリーランス。映画、音楽、その他諸々について、あちらこちらに書いてます。