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『べっぴんさん』、実年齢とのギャップが醍醐味に? 若手俳優アンサンブルへの期待

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 12月に入ってから、自己最高となる視聴率22.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録するなど、好調をキープしているNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』。放送開始から2ヶ月が経った先頃、年明け1月上旬より順次登場する本作の新キャストが発表された。(メイン写真=提供NHK)

 今回発表されたのは、ヒロイン・坂東すみれ(芳根京子)の成長した娘・さくら(15歳)を演じる井頭愛海、すみれとともに子供服メーカー「キアリス」を創業した村田君枝(土村芳)の成長した息子・健太郎(15歳)を演じる古川雄輝、小澤良子(百田夏菜子)の成長した息子・龍一(16歳)を演じる森永悠希。そして、さくらたちが通うようになるジャズ喫茶で働きながらプロのドラマーを目指す青年・河合二郎(19歳)を演じる林遣都、高校に通わずそのジャズ喫茶でバイトしている少女・山本五月(16歳)を演じる久保田紗友など。

 物語の舞台は現在の昭和20年代から一気に30年代へと移り、すみれ、君枝、良子、そして明美(谷村美月)という「キアリス」の創業者4人は30代となり、今後は彼女たちの娘・息子の世代のエピソードも絡めながら物語が展開していくことになるようだ。

 近年、好調を維持し続けている「朝ドラ」だが、その人気の理由のひとつとして挙げられるのは、リアルタイムで「成長」を見る楽しみだ。それは、役柄そのものの「成長」であると同時に、演じている役者自身の「成長」でもある。そもそも、ひとりの若手女優が少女時代から盛年、中年、老年までを演じることを見る機会など、同じくNHKの大河ドラマを除けば、滅多にないのだから。

 それは視聴者のみならず、演じる側にとっても同じことだろう。「朝ドラ」のオーディションに、毎回2000名以上もの役者が集まるのは、その知名度の高さもさることながら、ひとりの人間の「人生」を丸ごと演じることに役者としての「やりがい」を感じ、それを通して自身の「成長」が望めるからに違いない。

 とりわけ、近年の朝ドラ……明治を代表する女性実業家である「広岡浅子」をモデルとした『あさが来た』、雑誌『暮らしの手帖』を創刊した「大橋鎭子」をモデルとした『とと姉ちゃん』など、実在の人物をモデルとした「年代記」としての意味合いが強い近年の「朝ドラ」においては、特にその傾向が強いように思う。そして、子ども服メーカー「ファミリア」の創業者・坂野惇子をモデルとした今回の『べっぴんさん』もまた、その系譜に連なる作品のひとつと言えるだろう。

 とはいえ、実年齢は弱冠19歳である芳根京子が、序盤早々結婚・妊娠・出産を慌ただしく行った今回の『べっぴんさん』のスピード感に、当初戸惑った視聴者も多かったように思う。その表情に幼さを残しながら、赤子を背負って戦後の焼け野原に立つ芳根の姿は、ある意味衝撃的ですらあった。そこで、改めて今回のメインキャストの生年を見ていくと、芳根京子(97年生まれ)、百田夏菜子(94年生まれ)、谷村美月(90年生まれ)、土村芳(90年生まれ)といった具合で、「人生」をまるまる描くには、少し若い印象がある。

 しかし、夫との関係性や言うことを聞かない息子に悩む百田の好演や、4人の中でひとり独身役である谷村の影のある佇まいなど、子育てに関する悩みや家庭と仕事の両立、あるいは独身女性の肩身の狭さなど、現代にも通じるテーマを4人が丁寧に演じることによって、徐々にドラマの説得力を生み出していった……文字通りドラマとしても「成長」していったというのが、『べっぴんさん』をめぐる現在の状況であるのではないか。つまり、演者も視聴者も、ようやくその世界観に馴染んできたのだ。

      

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