『べっぴんさん』の見どころは“芳根京子”だ! 類稀なる女優の才はどこまで磨かれる?
ついに先週10月3日からスタートしたNHK朝の連続テレビ小説『べっぴんさん』。子供服ブランド・ファミリアの創業者である坂野惇子をモデルにした本作は、初回視聴率21.6%とまずまずの出だしを見せ、ここ最近続く朝ドラの好調を順調にキープしている。
本作の見所は、何と言っても芳根京子だ。デビューからわずか3年余りで今回のヒロインを務めるという大役を任された彼女を、『表参道高校合唱部!』以降注目し続けている筆者としては、録画では満足できずにテレビの前に正座して毎朝8時を迎えている。ここのところ駅のコンビニ・NewDaysの広告でしか彼女の姿を見ることができずにいたので、待ちに待った“動く姿”である。
もっとも、朝ドラの基本通りに序盤は幼少時代を描くので、第1話の冒頭で登場して以降、少しの間出演シーンはない。それゆえに、若干油断しながら観ていたわけだが、この坂東すみれというヒロインの幼少時代を演じる渡邉このみが、驚くほどに芳根京子らしい動きを見せるので、一瞬で油断が吹き飛んでしまった。
登場してから走る走る。かと思いきや、生瀬勝久演じる父親の前で言いたいことが言えずに口ごもる。これまで芳根京子があらゆるドラマや映画で見せてきたキャラクターの子供時代を本当に見ている気分になるほど、放つ空気感が似ているのだ。渡邉このみといえば、『まれ』で土屋太鳳の子供時代を演じたことが記憶に新しいし、遡れば『八日目の蝉』では井上真央の子供時代を演じていたのだ。また一人将来が楽しみな女優が現れたので記憶に留めておくことにしよう。
さて、金曜日に放送された第5話の終盤で、ついに坂東すみれ役が渡邉このみから芳根京子に切り替わった。こんなにも早く青年期に入るものだったかな、と思ったが、そのぶん芳根を長く見続けられるのだから何も問題ない。わずか数分の終盤で、母親の写真に挨拶をし、女学校で友人に刺繍を施したモンペを渡すのである。同級生役には、昨年の映画『幕が上がる』でも共演しているももいろクローバーZの百田夏菜子と、今回初共演となる土村芳の二人だ。