窪田正孝、人気マンガ原作『東京喰種』主演をどう演じる? 主人公“金木研”との共通点を探る
俳優の窪田正孝が、人気漫画『東京喰種』の実写映画にて、主人公・金木研(カネキ)役を務めることが発表され、大きな話題となっている。原作の『東京喰種』(石田スイ)は、2011年から「週刊ヤングジャンプ」にて連載が開始された作品で、コミックスの累計発行部数は1800万部を記録している。
原作ファンが多い本作。公開日やキャストの詳細がなく、“実写映画化決定”の情報だけで、SNS上では賛否両論、様々な意見が飛び交った。その後、主人公カネキ役を窪田が、ヒロインのトーカ役を清水富美加がそれぞれ務めることが発表され、SNS上では「『東京喰種』の実写化は嫌だけど、窪田くんがカネキ役をやるなら観たい」「カネキ君役を窪田くんがやると知って『東京喰種』実写化への期待が高まった」などと、窪田が主演を務めることに対して好意的な意見が目立っている。
窪田は、『臨床犯罪学者 火村英生の推理』(日本テレビ系)や、現在公開中の映画『MARS~ただ、君を愛してる~』などを含め、デビュー後10年間で60本以上のドラマ・映画に出演している人気若手俳優の一人だ。そんな窪田は“カネキ”というキャラクターをどう演じ上げるのか。
本作の主人公・カネキは、内気な性格で読書好きな大学生。ある事件がキッカケで、身体の半分が“喰種”になってしまう。“喰種"とは、見た目は人間だが、人を喰べることでしか生きられない生物だ。人間の心を持ったまま身体がどんどん“喰種"になっていくことを受け入れることができず、苦悩する日々を送る。だが、親友ヒデの存在や、“喰種"の世界での様々な出会いにより、次第に自分自身と“喰種"という存在を受け入れ、仲間を守るために心身ともに強く成長していくキャラクターだ。
そんなカネキと窪田の共通点は少なくない。線が細く中性的な印象、儚げで優しい雰囲気、一見ヒョロっとして見えるのに鍛え抜かれた身体を持っている、などが挙げられる。ビジュアル面では原作者である石田スイも「カネキ役の窪田正孝さんは、演技の素晴らしさは勿論、“カネキが実際にこの世界にいたらこういう感じ”というキャラのイメージぴったりのお姿で」と太鼓版を押すほど。また、カネキの内気な性格や脆さなどの性格面も、極度な人見知りである窪田と通じるところがある。
カネキという人物は、物語が進むに連れてどんどんキャラクターが変化していき、色々な表情を持つ。複雑な過去や現在を抱えていることもあり、強さに比例して、今にも壊れてしまいそうな危うさも増していく。その空気感をどう出すかが、カネキを演じるにあたって重要なポイントになるだろう。その点で窪田は、『デスノート』(日本テレビ系)で見せた鬼気迫る演技や恐ろしすぎる表情、異様な空気感など、演じるのではなく“役そのものになる”俳優だけに、今回のカネキ役も期待できる。
しかし、いかに役者が良い仕事をしても、2次元の作品を3次元で表現するのは、常に異論がつきまとう。脚本の内容や演出により酷評を受ける作品も少なくない。今回の『東京喰種』においても、どれだけ原作の世界観を理解し、再現できるかによって作品の価値が決まるに違いない。