『不機嫌な果実』高梨臨はどこまで墜ち切る? 背徳のラブシーンで見せる女優としての真価
栗山千明、橋本マナミ、高梨臨ーー3人の女優が体当たりの演技で道ならぬ“不倫劇”に挑む、林真理子原作のテレビドラマ『不機嫌な果実』(テレビ朝日)第3話が、今夜11時15分から放送される。5月6日に放送された第2話では、主人公の水越麻也子(栗山千明)と不倫相手の野村健吾(成宮寛貴)が箱根の温泉宿で不貞行為をはたらいている最中、麻也子の親友である竹田久美(高梨臨)と麻也子の夫である水越航一(稲垣吾郎)の不倫関係が描かれ、ふたりの熱烈なキスとともにエンドロールが流れるという驚きの幕切れだった。
高梨臨が演じている竹田久美は、夫の不倫が原因となり離婚したバツイチ女性で、自身の経験から麻也子らに対して「不倫はやめておくべき」と苦言を呈するキャラクターなのだが、実は親友の夫と不倫関係にある“悪女”キャラだ。高梨自身が「大人な感じのシーンは初めての体験です」「新しい自分を出していきたい」とインタビューで語るように、彼女が大胆なラブシーンに挑戦するのは本作が初めてのこと。ドラマ放送開始前にもニュースで取り上げられるなど、高梨臨のラブシーンへの期待は高まっていたはずだ。(参考:「不機嫌な果実」高梨臨が悪女役で新境地に挑む)第1話では、栗山や橋本が生々しい演技を披露する中、頑なに肌を露出しなかった高梨だが、第2話では橋本とのサウナシーンで、バスタオル一枚に身を包み艶かしい美脚を披露。そして、ドラマ終盤では稲垣吾郎と幾たびも唇を重ねベッドに押し倒される姿を観せて、視聴者にインパクトを与えた。
もともとの出自がスーパー戦隊シリーズ『侍戦隊シンケンジャー』(テレビ朝日)だったことも影響してか、貞淑なイメージを保ってきた高梨臨。近年の出演作を見ても、ドラマ初主演作『放課後グルーヴ』(TBS)の体育教師をはじめ、『 ヒガンバナ〜警視庁捜査七課〜』(日本テレビ)のリケジョ(理系女子)巡査、『Dr.倫太郎』(日本テレビ)の研修医、『5→9〜私に恋したお坊さん〜』(フジテレビ)の才色兼備の同僚など、色気や悪女といったイメージとは対極にある、真面目さや実直さが必要とされる役柄を演じてきた。
しかし、そんな高梨だからこそ、情欲に流され不貞行為におよぶ姿はいっそう背徳感に満ちており、とても刺激的だった。撮影現場では監督から「初々しさが出すぎてる」と指摘されたこともあったというが、だとすれば彼女の演技は演技ならざる部分もあったのだろう。(参考:「高梨臨「大人な感じのシーン」で新境地」
)竹田久美と同じように、自らの倫理をねじ伏せるほどの情熱を抱いて、役に挑んでいたのではないか。高梨にとって新境地であることはもちろんだが、それ以上に女優としての真価を問われている役に違いあるまい。