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脚本家・演出家/登米裕一の日常的演技論

広瀬すず、『ちはやふる』における“アクション”の説得力ーー原作の魅力をいかに拡大したか

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 また、日本の漫画はたいてい雑誌に連載されているので「来週はどうなるんだろう」「来月はどうなるんだろう」という風に、次を意識させながら作品が作られます。すると、映画にする際にどうしても山場が原作とずれたりします。構成し直さなくてはいけません。

 その再構成が『ちはやふる』は巧みでした。そしてそこに、原作に対する愛とリスペクトを大いに感じました。

 原田先生の「青春全部賭けてから言いなさい」というセリフ、「あれ? ここで言わないんだ?」と思ったり、あるいはカルタ部を作って初めて新に電話した際に「あれ? ここで拒絶されないんだ」と思った原作ファンもいたかもしれません。

 けれど映画として見た時に「なるほど、ここに入ると二時間の映画として流れを邪魔しないな」とか「映画の山場をここで一緒に迎えられるな」と感じさせる説得力がありました。

 原作の本質的魅力をしっかり捉えようとする愛と、それを映画的手法で拡大して見せようとする技術。両方を併せ持った方が手掛けた再構成だと感じました。一原作ファンとして、「小泉監督ありがとう」と思いました。

■登米裕一
脚本家・演出家。映画『くちびるに歌を』CX『おわらないものがたり』NHK『謎解きLIVEシリーズ』などの脚本を担当。大学時代に旗揚げをした劇団『キリンバズウカ』の主宰も務める。個性豊かな登場人物たちによる軽快な会話の応酬を持ち味としており、若手作家の躍進著しい演劇界の中でも、大きな注目を集める。また演技指導家としても評価を得ており、現在多くのワークショップ依頼を受けている。

■公開情報
『ちはやふる -上の句-』『ちはやふる –下の句-』
『上の句』公開中、『下の句』4月29日(金・祝)ロードショー
原作:末次由紀『ちはやふる』(講談社「BE・LOVE」連載)
監督・脚本:小泉徳宏
音楽:横山克
出演:広瀬すず、野村周平、真剣佑、上白石萌音、矢本悠馬、森永悠希、清水尋也、松岡茉優、松田美由紀、國村隼
(c)2016 映画「ちはやふる」製作委員会 (c)末次由紀/講談社
公式サイト:http://www.chihayafuru-movie.com/

      

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