大野いとが語る、恋愛映画と自身の感情「辛い思いをしたときに、誰かの言葉を思い出して頑張れる」

大野いとが明かす、自身の恋愛観

 新堂冬樹の小説を原作として、ハン・サンヒ監督がメガホンを取った恋愛映画『忘れ雪』が、11月7日より公開される。子供の頃に瀕死の子犬を偶然拾った深雪と、その子犬を治した韓国からの留学生ユン・テオの、不思議な運命と純愛を描いた同作で主演を務めたのは、K-POPアイドルグループ・2PMのメンバーであり、その演技力にも定評があるチャンソンと、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』への出演で注目を集め、さらなるブレイクが期待される若手女優・大野いと。儚くすれ違うふたりの物語に、大野いとはどのような心境で臨んだのか。本人に話を聞いた。

「自分なりに前よりも進歩していたように感じた」

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ーー今回の主人公の深雪は、初恋の人を想い続ける純粋な性格の持ち主でした。演じてみてどう感じましたか?

大野:とにかく全力で役になりきろうと思って臨んだのですが、撮影中はなかなかうまくいかない部分もあり、自分の力不足を感じました。たとえば、最初にユン・テオ(チャンソン)と再会してお話しするシーンでは、監督から何度も「もっと明るく演じて」と言われたんですけど、自分では気持ちを高く持っていったつもりが、すぐには演技に反映できなかったり……。でも、初めて完成した作品を観たときは、自分なりに前よりも進歩していたように感じて、小さいけれど達成感もありました。

ーー彼女の恋愛観についてはどう思います?

大野:すごく素敵だなって思います。ひとりの相手をずっと思い続けるなんて、なかなかできることではないし、実際、わたしを含めて周囲ではあまりそういう話は聞かないから。一途に過去の思い出を温めていられるのは、とてもロマンチックなことだなって。わたしは幼馴染のひとをずっと好きでいたりはしないから、わたし自身の恋愛観とは違うかもしれないけれど、でも、自分が辛いときに優しい言葉をかけてくれたひとは、友達でも大きな存在だから、もしかしたら彼女にとってのテオは、そういう存在だったのかもしれない。

ーー冒頭のカフェのシーンでは、恋する女性の表情がうまく表現されていました。

大野:テオが優しい言葉をかけてくれたときのことを思い出すだけで、彼女は笑顔が溢れてきちゃうんです。辛い思いをしたときに、誰かの言葉を思い出して頑張れるっていう気持ちは、きっと誰しもが持っていると思うんですけど、それが彼女にとってのテオだって思えたから、自然とそういう表情が出てきたんだと思います。

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ーー大野さん自身が、辛い時に思い出す顔は?

大野:家族だったり地元の親友だったり、それからいつも親身になってくれるスタッフさんとかですね。「いとちゃんは大丈夫だよ」とか、いつも優しい声をかけてくれる人たちの顔が浮かびます。

ーー共演のチャンソンさんの印象についてもお聞かせください。

大野:わたしはチャンソンさんの話し方や声がすごく好きで、優しくて柔らかいんですよね。わたしが撮影で緊張しているときも安心させてくれたりして、それがテオの優しさと通じるなって思いました。相手がチャンソンさんだったから、気持ちを乗せて演じることができたと思う。本当に優しくて魅力的な方なのでドキドキさせてくださる相手だし、いまも会うとちょっとドキドキしちゃいますね(笑)。

ーー撮影時以外は、どんなやり取りがありましたか?

大野:チャンソンさんのお母さんが手作りした梅キムチを頂きました。カリカリ梅みたいな小さい梅をキムチに漬けたやつで、野菜とかも入っていなくて、酸っぱ辛いんだけど美味しいんです。「すごく家族を大事にされているんだな」って感じて、チャンソンさんの自然な優しさが感じられました。

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