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本木雅弘、Eテレ『SWITCH』で真鍋大度と対談 本木「一瞬でも体験しておくと演技の糧になる」

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 『SWITCHインタビュー 達人達』(NHK Eテレ)、9月26日の放送回(Vol.89)に、現在公開中の映画『天空の蜂』(監督:堤幸彦/2015年)にも出演している俳優・本木雅弘が登場。自身の俳優論や、役者としての自らの今後について語った。

 『日本のいちばん長い日』(監督:原田眞人/2015年)で、5年ぶりにスクリーンに帰ってきた本木。3年前からロンドンで生活しているという彼が、今回の対談相手に選んだのは、Perfumeやサカナクションらとの仕事で知られるメディアアーティスト・真鍋大度。「表現者の端くれとして、最先端の表現をしている人とお会いして、刺激をいただきたい」というのが、その理由であるようだ。番組前半は、本木が真鍋の事務所を訪れるところからスタート。ドローンなど、最新のテクノロジーを駆使して近未来の夢を見せる、真鍋のさまざまな作品を実際に鑑賞、体験した。

 その後、場所をNHKのスタジオへと移した後半。そこで真鍋は、最新技術を用いたプレゼンテーションをサプライズで本木に披露。本木の出演作を人工知能で解析、その登場シーンの表情がポジティヴなら「青」、ネガティヴなら「赤」で表示するというのだ。緊迫したシーンの連続につき、概ね「赤」が多い『天空の蜂』に対し、本木が納棺師を演じた映画『おくりびと』(監督:滝田洋二郎/2008年)が思いのほか「青」、すなわちポジティヴな表情のシーンが多いことに驚く本木。「こう見ると案外『おくりびと』って前向きな映画なんですね(笑)」。さらに真鍋は、本木の出演作以外の映画も解析し、『天空の蜂』と最も似たパターンを持つ映画として『ゴジラ』(監督:本多猪四郎/1954年)を提示する。その結果に驚きつつも、本木は『天空の蜂』の脚本家・楠野一郎が「子どもたちには、ある意味怪獣映画を観るような感覚で観てほしい」と語っていたというエピソードを紹介。楠野が『ゴジラ』のサントラを聴きながら、『天空の蜂』の脚本を書いていたことなど、知られざる逸話を披露した。

 そこから対談は、映画『天空の蜂』の話へ。「かなりメッセージ性の強い映画だと思いましたが、最初に脚本を読んだとき、どう感じましたか?」という真鍋の質問に、初見で最も印象に残った言葉として、「沈黙の群衆」という言葉を挙げる本木。「自分の意思を示さない、仮面をつけたように沈黙する群衆」……それを見たときに、本木は「これはまったく自分のことだ」と思ったという。そして、「きちんと自分の意思を持って立ち位置をはっきりさせて、何を選択するのか意思表示しなければないことを、“沈黙の群衆”に問う」ことが、この物語なのだと、この映画に対する自らの見解を述べた。では、「共感できない役の場合は、どう演じるのか?」と質問する真鍋。それに対し、「大体の映画は、端的に言うと『やっぱり愛だよね』とか、『人間って、どうしようもないよね』とか、そういう話なので、絶対共感しうる部分がある」としながら、「逆に言うと、そこ(共感するポイント)を見つけていくことが、演じるという仕事なのかもしれません」と自身の俳優論を語る本木。そして、「その意味で言ったら、善人の役をやるほうが、ストレスがあるかもしれません(笑)」と、意外な事実を明らかにした。「私の場合、どちらかと言うと、正義の役を演じることが多いので……その分、プライベートでは毒を吐きます(笑)」。

 その後、番組は“俳優・本木雅弘”の核心へと迫ってゆく。「私の場合、とにかく“かたち”を先に整えて、その“かたち”が馴染んでくれば、自然とそこに“心”が備わってくるのではないかって、思ったりするわけです」。その具体例として、納棺師を演じた『おくりびと』の役作りについて語る本木。「納棺師という仕事を自分で覗いて、本当に体験させてもらって……ご老人が亡くなったお家にアシスタントとして行って、実際にご遺体を拭かせていただいたんです。(中略)本当に短い期間だけども、一瞬でも体験しておくと、それが自分のなかで、演じるときの糧にちゃんとなるんですよね」。実際体験することによって、まずは役の“かたち”を整えること。しかし、『おくりびと』で共演した俳優・山崎務の役作りは、それと異なるものだったようだ。「山崎さんは、そんな体験を一度もせずに……遺族の心に寄り添うということを、そのベースとして理解していれば、納棺師の役はできるだろうという考え方でした」と、本木は山崎のベテランならでは役作りの“凄み”について語った。

      

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