TOLAND VLOG・サムはなぜ『古事記』にハマったのか? 現代的な視点から見た奥深い魅力

神話の世界観は現代だからこそ新鮮

――古代神話の世界観を見ていると、神様たちが非常に人間臭いですよね。そしていろいろなことに苦悩している姿は、現代人とあまり変わらないように思えます。

サム:おっしゃる通りだと思います。僕は歴史に関心を持つまでは、100年、1000年くらい前の人たちは自分と完全にかけ離れた存在だと思っていたんですよ。でも、歴史は繰り返されているんですね。過去の物語をみていくと、人間の判断と行動はたいして変わっていません。なので、歴史書を見ると未来を占えるというか、予言書のように未来を考えることができるんです。

――そう考えると、歴史書には昔の人たちから現代人に向けたメッセージが詰まっているといえます。

サム:歴史書は現代の社会情勢を考えるうえでも格好の書物です。例えば日本は「混乱期」→「発展期」→「安定期」→「混乱期」というサイクルを繰り返しているんですよ。七世紀中頃の「大化の改新」から「混乱期」に突入し、奈良時代に一気に「発展」しました。次の長い平安時代は「安定期」と言えますし、武士中心に移行する鎌倉時代で再び「混乱期」に突入するわけです。戦後の日本も「混乱期」で、昭和の後半が「発展期」、平成の時代が「安定期」だと考えると、令和の時代は再び「混乱期」に突入しているみたいな感じですね。時代が変わっても日本人の行動は本質的に変わらないので、先人の方々が残してくれたメッセージは未来を生きる上で大きなヒントになると思います。

――サムさんのお話を聞いて、『古事記転生』には神話の考えを現代に生かす、というテーマが根底にあるのかなと思いました。今話した内容は国家という壮大なテーマですが、それぞれの神様にスポットライトを当てても、学びは多いように思います。

サム:神様でも悩み、失敗し、ぶつかりながら進んでいきます。これって、本当に人間らしいですし、現代の我々と同じなんですよね。全知全能の神様って、世界的に見てもそんなに多くないのです。

――『古事記』を読んで、日常生活も豊かになるようなことはありますか。

サム:今の日本で当たり前に行われている風習や、祭り、地名なども『古事記』の時代から続いているものが多いことをご存知ですか。こうした気付きを得ると、人生の中にあった伏線が回収されていくようで、ちょっとした感動を味わえるんですよ。『古事記』の知識を得てから神社に行くと、知る前の50倍くらい楽しめますし、お祭りの由来も深読みできるようになります。我々の暮らしの身近なところに、『古事記』の時代から連綿と続く文化が予想外にあったりします。こうしたミステリーを掘り起こせるのも、日本神話ならではの魅力ではないでしょうか。もしも『古事記』に興味が湧いたら、ぜひその入り口として『古事記転生』を手に取っていただけると嬉しいです。

■書籍情報
『古事記転生』
著者:サム(アライコウヨウ)
定価:1,650円 (10%税込)
刊行日:2023年6月30日初版発行
出版社:サンマーク出版

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