171が“ロックバンド”と“ライブハウス”にこだわる理由 3人の初期衝動、新EP『音楽 青春 LOVE』に迫る

「“青春”という言葉は、すごく嫌いだった」
ーー表題曲「音楽やろうよ!」は、どんな経緯で生まれたんですか?
田村:これ、すごく不思議な作り方をした曲なんです。普段の僕は結構かっちり作って組み立てていくタイプで、最初は弾き語りから始めて、ドラムが入るところでテンポを上げて、ここでこういう歌詞を、と頭の中で構成を組んでから作ります。でも『HELLO!』を出した時に、その作り方の限界が見えていて、別の方法を試したいと思っていたんです。この曲は、ベースのリフのループだけがある状態で、車の中で「今日中に送らなきゃ、どうしよう」と焦っている時に、歌詞もメロディも一緒にふっと出てきたんです。20分くらいで書けて、すごく神秘的な体験でした(笑)。音楽の新しい楽しみ方を教えてもらった気がしています。
ーーアレンジも、ファンクやメタル、カントリーまで幅広いジャンルが入っていますよね。
田村:そこは結構打算的な部分もあって。屋台骨になるメロディとリフと構成ができたので、ギターにカントリー風の要素を入れたいというのは前のアルバムの頃から考えていたんです。面白そうだと思ったものをすっと入れて、メタルっぽい部分を作って、デスボイスも入れました。アレンジをみんなで考える作業自体がすごく楽しかった。ミドルテンポの曲だから何でも試せる。音楽をやる楽しさの根源に、これまでとはまったく違うルートで一番近づけた気がしています。
ーー「love」はカナさんがソングライティングを手がけ歌う曲ですが、このタイミングで“LOVE”という言葉を選んだ背景には何があったんですか?
カナ:私は田村と違って、考えて作るタイプじゃないんです。その時の自分をスケッチして留めとく感覚があって。書いた時期は、結構波がある自分の中でも、どん底に近い時で。その時に唯一見えた光が「これはLOVEしかない」って思えたんです。愛情について、自分本位に書いてみようと思いました。
ーー“愛”というものに、何かすがれるような望みがあったということですか?
カナ:そうですね。自分の中の世界がちょうど書き換えられてるタイミングやったんです。私には定期的にくるんですが、脱皮するような感覚っていうか、死んでまた生まれ変わるような感覚があって。そのタイミングに重なって、その中で一番明るく見えたものを書きました。タイトルを変にひねるより、これもLOVEでいった方がいいと思ったんです。他者を通じて自分を見て、自分の中で置き去りにしてきた自分自身への愛情を見るきっかけになった時間でした。今しか書けへんものを書きたくて、その時期の生々しさを残したいと思いました。
ーー脱皮する時のカナさんを、田村さんとモリモリさんはどんな風に見ているんですか。
カナ:「また言ってるわ」「調子悪そうやな」みたいな感じで、介護みたいに見守ってくれてます(笑)。社会的なことが全然できんようになってしまうので。
田村:自分の今までのやり方では解決できないこと、人間関係の中で溜まってきた負の部分の歪みみたいなものがあった時に、一回全部壊すことで再構築している感じはあるよね。
カナ:うん、全破壊。
田村:でも、そんなに変わっていないとも思うけどね。
ーー“青春”という言葉にも向き合ったわけですが、田村さんはもともとこの言葉にどんな感覚を持っていましたか?
田村:“青春”という言葉、すごく嫌いだったんです。昔ながらの“青春”というタイトルの曲って、きれいなことばかり言っているように感じていて。でもずっと考え続けてきて、結局、“青春”以外の言葉では言い表せないなと気づいたんです。
ーー「音楽やろうよ!」然りですけど、田村さんの曲には「バンドをやったら人生が変わるかもよ?」という提案のようなメッセージが通底していると思うんですね。
田村:本当はみんなにバンドをやってほしいです。売れる、売れないとか関係なく。だって友だちが書いた歌詞が一番面白いじゃないですか(笑)。「こんなこと考えていたんだ」って。ド直球な表現ができるのは、音楽でありバンドの魅力だと思うので。

ーーその上で、このEPの“青春”は、「青春が終わった自覚があるからこそ歌える青春」だとも思いました。
田村:本当にそうですね。現在進行形でずっといたいとは思っているんですが、自分が今いる場所を“青春”とは言いたくないんです。全部を美化してしまう、強すぎる言葉というか、塗り潰してしまう言葉だと思うので。いつか自分のバンド活動の中で、しっくりくる時がくるかもしれないとは思います。
カナ:私は今が、めちゃめちゃ青春やと思うけどね。過ぎ去ったものを美しく思うから、今を青春にしたくないんちゃう?
田村:いや、そうじゃないよ。俺、記憶力がいいから、昔の嫌だった話も全部覚えてる。昔の方が良かったなんて思わない。
カナ:今のほうがどんどん良くなっていってるよ。
田村:そうだね。だから、今を青春と言われたくなかったのよ。逆に、昔のことは嫌いだった。それが懐かしくなるのは、もう喉元を過ぎているから青春と言えるようになる、ということなんだと思う。そういう意味でも、ひねくれなくていいところと、ひねくれた方がいいところの区別がつけられるようになったのは大きいと思いますね。
■リリース情報
EP『音楽 青春 LOVE』
2026年6月24日(水)配信リリース
2026年7月3日(水)パッケージリリース
※ライブ会場、VICTOR ONLINE STORE、タワーレコード限定販売
・ライブ会場&VICTOR ONLINE STORE限定セット:2,500円(税込)
※CD+オリジナル冊子『BANDやろうよ!』
・タワーレコード(CDのみ):1,650円(税込)
詳細:https://www.jvcmusic.co.jp/Linkall/171/music-youth-love.html
<収録曲>
1. 音楽やろうよ!
2. 青春のウソホント
3. love
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