Aooo「やりたいのは現象を起こすこと」 バンドの新境地を切り拓く一枚、試行錯誤と遊び心を尽くした『Rooom』を語る

Aooo、2nd ALの試行錯誤と遊び心

 Aoooが2ndアルバム『Rooom』をリリースした。4人の初期衝動を鳴らした1stアルバム『Aooo』を経て完成した本作は、音楽的な遊び心と果敢な挑戦を随所に散りばめながら、バンドの新境地を提示する一枚だ。ライブで鳴らす瞬間をイメージして作られたという多彩な楽曲群からは、スケールアップしたバンドの現在地が刻まれている。本インタビューでは、幾度もの話し合いやすり合わせを経て完成した『Rooom』について、4人にじっくり語ってもらった。(編集部)

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ステージを重ねて強まった結束力、ライブをイメージして臨んだ曲作り

――最近のAoooのライブを拝見すると、バンドとしてのグルーヴが確立されて、Aoooならではのバンド感がどんどん強まっている印象もあります。それが、観る側としてすごく心地よいです。

すりぃ:嬉しいですね。去年はありがたいことに、ライブの数もめちゃくちゃ多かったですし、フェスにもいろいろ出させていただいて、4人で一緒にいる時間が増えたことも大きかったのかな。

やまもとひかる(以下、やまもと):それこそ、何かハプニングがあっても「誰かがどうにかしてくれるだろう」という信頼感も芽生えてきたので、安心してライブに臨めているのも大きいし。

――では、この4人だからこそ得られる手応えも、初期と比べて変わってきた?

石野理子(以下、石野):そうですね。自分たち的にも結束力はどんどん強まっている感覚があるし、それをちゃんと形として見せられているとも思います。

ツミキ:最近は海外公演も増えていて、日本語で歌っている現地のお客さんを目にしたり、ちょっと毛色の違うフェスとかに出てもちゃんとAoooの曲が浸透しているのを目の当たりにしたりすると、ここまでやってきたことがちゃんと伝わっているんだなって実感しますね。

――フェスでのステージも、初見のお客さんを確実に巻き込む力が以前よりも増している印象もあります。

やまもと:フェスは出演するにつれて、どんどん巻き込んでいけてるなっていう感覚は確かにあります。音源ももちろんこだわって作っているんですけど、「ライブのアレンジもいい」とか「ライブで曲が化けてるよね」とかお客さんから言っていただくことも増えているので、もしかしたらAoooはフェスに向いているのかもしれませんね。

石野:特にここ2年くらいで、ライブでお客さんと一緒に盛り上がれるような曲も増えてきたのも大きいのかな。

――先日も『CENTRAL MUSIC & ENTERTAINMENT FESTIVAL 2026“Echoes Baa”』でのステージを拝見しましたが、会場でのあの一体感は筆舌に尽くし難いものがありました。

石野:確かに、『CENTRAL』のときは自分たちもより実感できました。

すりぃ:それこそ、つい最近行った韓国とかでも、めっちゃ実感できたよね。みんな一緒に歌ってくれていたし。

やまもと:うん。日本だとコールアンドレスポンスが無いところでみんな歌っていたりして、盛り上がり方もまたちょっと違うんですよ。決まったノリは特にはないんですけど、そうやって自然発生的な感じで歌ってくれるのはすごく嬉しいです。

Aooo 撮り下ろし写真
石野理子

――一方で、曲作りに関してはいかがでしょう。自分たちの中でAoooというものが馴染んできたからこそ、今回の2ndアルバム『Rooom』に向けて、それぞれの曲作りの向き合い方に変化などはありましたか?

ツミキ:1stアルバムを作っていた段階ではまだ景色がない状態というか、4人がスタジオに集まって音を鳴らすということを目的としたアルバムだったんですけど、今回のアルバムはライブをイメージしながら、お客さんと作っていく曲を制作していた節があって。そういう意味でも、以前より開けたサウンドになっているし、前作にはなかった同期演奏が入っていたりするところも含めて、また系統が違うアルバムを作れたなと感じています。

すりぃ:それこそ「ここで一緒に歌ってほしいな」とか「サビで一緒に飛んでほしいな」みたいな絵を思い浮かべながら作った曲が多い気がする。

――実際、きらびやかさが増しましたよね。

ツミキ:実は、1枚目と2枚目とでミキシングは違うエンジニアの方に担当いただいています。1枚目は初期衝動的な音が得意な井上うにさんに担当してもらいましたが、2枚目はポップス方面を多く担当されている高山徹さんにお願いしたので、そこも大きな違いだと思います。

――1stアルバム『Aooo』はおっしゃるように初期衝動感強めで、4人が放つ音がひとつの塊となって攻めてくる印象でしたが、今作は一つひとつの音がくっきりとシャープに聴こえてきて、全体的に洗練されたようにも映りました。

ツミキ:まさにそういうアルバムをイメージして制作したので、伝わっていて嬉しいです。

やまもと:1枚目は「この人がこういうふうに叩いたらカッコいいだろう」「こういうふうに弾いてくれたら」「こういうふうに歌ってくれたら」っていう、自分の中にあるそれぞれのプレイヤーイメージをもとに曲を作っていたんですけど、今回は「自分たちで最大遊ぶとしたら、どう遊べるかな?」というイメージで制作したので、そういう変化はありました。

石野:ボーカルに関しては、私は常に「自分の声を使って遊んでくれ」というスタンスでいるので、そこに関しては前作からあまり変わってないのかな。ただ、今回は楽曲の幅がかなり広がったので、いろんな私を引き出してくれる曲たちが揃ったなという印象です。

バンドの第2章を切り開いた「Yankeee」での挑戦

――アルバム制作を進める上で、鍵になった曲ってありましたか?

やまもと:方向性的にバンドの第2章を切り開いてくれたのが、「Yankeee」という曲かなと。「Yankeee」を起点に、アルバムの中の楽曲の幅がどんどん広がっていった気がします。

すりぃ:ありがたい。作者冥利に尽きます(笑)。

――実際、ライブにおける「Yankeee」の爆発力やお客さんとの一体感は目を見張るものがありますものね。

石野:想像以上でしたね。

ツミキ:確か、「Yankeee」で初めてシーケンスをきちんと入れたので、どのくらいボリュームを上げたらいいんだろうとミックスの段階でいろいろ話し合った記憶があって。それまでは4人の音で完結していたので、ここでどのくらい挑戦するかという話し合いをしました。最終的には振り切って全部出しちゃえみたいな感じで、今の方向性が決まったことはすごく覚えています。

Aooo 撮り下ろし写真
すりぃ

――なるほど、バンドの新境地を伝えた「Yankeee」を起点にこの2ndアルバムへと繋がっていったと考えると、すごく腑に落ちるものがあります。それにしても、どの曲も3分前後と非常にコンパクトなのに、いろんな要素が詰め込まれていますよね。

石野:確かに、1曲1曲の中でわりと展開は多めかもしれないですね。

――そのあたりは意識的だったんですか?

ツミキ:作家ごとにそれぞれ考えていたことはあるかもしれないんですけど、全体で話し合ってこうしようみたいなことはなかったです。ただ、みんなが面白い曲を持ってきた結果、展開は多めになりました。

――そこに、バンドとして肉付けしていくことで、いろんな要素がどんどん増えいくこともある?

ツミキ:そうですね。

やまもと:「ここでキメを作ってみよう」とか、そういうのはみんなで集まったときにやったりしますね。それこそ、レコーディング中に決まったりとか。

ツミキ:ひかるはドラムに厳しいので、「もっと面白いフィル叩いてみて!」とか言われたりして(笑)。そういうちょっとした遊びを交えながら、完成していくことが多いですね。

――基本的には、どこまで作り込んでからレコーディングに入るんですか?

やまもと:今回は作り込んでからレコーディングに入った曲、ほとんどないかも。

ツミキ:ないね。

やまもと:一回合わせてみて、「ここ、もうちょっとこうしたほうがいいかな」と擦り合わせたり。それこそそれぞれの楽器の音作りからですけど、みんなでやいのやいの言いながらやってましたね。そこから、フレーズもどんどん固まっていくことが多かったです。

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