Ado、SixTONES、BE:FIRST、LANA, Elle Teresa、CIRRA、Chevon……注目新譜6作をレビュー

New Releases In Focus

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回はAdo「アイ・アイ・ア」、SixTONES「Rebellion」、BE:FIRST「BE:FIRST ALLDAY」、LANA, Elle Teresa「こんな日は」、CIRRA「All for Me」、Chevon「春の亡霊」の6作品をピックアップした。(編集部)

Ado「アイ・アイ・ア」

AiAiA

 「アイ・アイ・ア」は2025年のドームツアー『Ado DOME TOUR 2025「よだか」』で初披露され、3月16日にはYouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』で(ファントムシータとともに)パフォーマンスする映像が公開された新曲「アイ・アイ・ア」は、ボカロP・きくおの提供曲。エレクトロスウィングのテイストを感じさせるサウンド、アップダウンを繰り返すメロディ、そして、架空の遊園地を想起させるダークファンタジー的な歌詞世界が一つになったアッパーチューンだ。〈愛されたいから暴走中〉というリリックも印象的。承認欲求や過剰な愛情でバグっている状況を描き出しているのはもちろん、可愛さ、怖さ、強さ、儚さなどがクルクルと入れ替わる多彩なボーカル表現をしっかりと際立たせている。(森)

SixTONES「Rebellion」

SixTONES – Rebellion [YouTube ver.]

 メンバーのジェシーが主人公の女性刑務官の秘密を握る殺人犯を演じるドラマ『パンチドランク・ウーマン −脱獄まであと××日-』(日本テレビ系)オープニングテーマ。プロデューサーからは「主人公を連れ出すような楽曲を」とのオファーがあったそうで、スリリングかつドラマティックなダンスチューンが完成した(※1)。〈窮屈な鉄格子〉という歌い出しから始まる歌詞はかなりドラマ内容に寄り添ったもので、ファンを元気づける応援歌とは一線を画す、どこか非日常の危うさを孕んだ内容となっている。締め括りの言葉〈逆らうことが罪ならきっと/僕らは共犯者〉はドラマを象徴するフレーズのひとつ。物語が進むにつれて曲の味わいは増していきそうだ。(石井)

BE:FIRST「BE:FIRST ALLDAY」

BE:FIRST / BE:FIRST ALL DAY -Music Video-

 デビュー5周年の幕開けを飾るシングル『BE:FIRST ALLDAY』のテーマは“生涯BE:FIRST”宣言。〈あの日笑われた夢でも〉〈今じゃ全てがリアル〉をはじめ、グループに対する強い思いとプライドが全編に漲っている。これみよがしのアッパーチューンではなく、抑制を効かせたプロダクションも好印象。アメリカ・LAでのコライトキャンプで制作され、国内外のクリエイターとともに作り上げられたエキゾチックなトラック、そして、アジア的な雰囲気をまといながらメンバーのボーカル/ラップ/ハーモニーの魅力を増幅させるメロディが聴く者のテンションをじわじわと上げてくれる。どこにでもあるような団地を舞台に撮影され、これまでの楽曲の振付を取り入れたパフォーマンスが心に残るMVもぜひチェックしてほしい。(森)

LANA, Elle Teresa「こんな日は」

LANA, Elle Teresa - こんな日は (Official Audio)

 4月に開催される大型HIPHOPフェス『POP YOURS 2026』のオリジナル楽曲。初日ヘッドライナーを務めるLANAと、同じ日に出演するElle Teresaによるコラボ曲である。〈こんな日〉とはもちろんフェス当日のことで、長らく男たちの縄張り社会、もしくは群雄割拠の戦場であったラップの世界で〈Fame & Money より Love & Berry〉〈非行少女達 飾るエンディング〉と歌い上げるのは今の時代らしいジェンダー解放宣言。対立したり牙を向く姿勢はなく、柔らかなメロディと愛情溢れるワードでそれを曲にしているのが最高だ。それぞれエッジィな個性がないと成立しないラッパーたちを常にまるーくポップにまとめ上げる、プロデューサー・STUTSの手腕も光る。(石井)

CIRRA「All for Me」

All for Me

 佐藤晴美がプロデューサーを務めたLDHガールズグループオーディション『ガルバト -GIRLS BATTLE AUDITION-』(日本テレビ系)から誕生した新グループ・CIRRA。オーディションの最終審査でも披露された「All for Me」は、グループのテーマ「つながりの輪(CIRCLE)で時代(ERA)を変える」をダイレクトに反映したミディアムチューンに仕上がっている。軸になっているのは〈廻る廻る運命 All for Me〉に象徴される、しなやかなポジティブ感を描き出すリリック。80’sテイストを感じさせるレトロフューチャー的なトラック、華やかさと凛とした強さを共存させたメロディラインも彼女たちのスタイルを端的に表している。心地よいグルーヴと軽やかなポップネスのバランスも良く、幅広い層のリスナーに訴求できそうだ。(森)

Chevon「春の亡霊」

春の亡霊/Chevon 【Lyric Video】

 結成から5年、すでにZepp公演や横浜アリーナ公演が完売する人気バンドへと飛躍したChevon。これがメジャー1stアルバム『三者山羊』からの先行配信となる。インディー時代楽曲の多くはギター中心のフォーマットだったので、幻想的なシンセと跳ねるベースを主役に据え、ふわっとしたカッティングが脇役を担う、この曲のアレンジはかなり新鮮。隙間を活かした歌唱、高音域の熱量に頼らないメロディラインも、谷絹茉優(Vo)の可能性をずいぶんと広げるものだろう。歌詞は内省的な悲しみと幻想的な美しさを併せ持っており、坂口安吾の短編『桜の森の満開の下』を思わず連想してしまった。詩人としての飛躍にも今後期待したい。(石井)

※1:https://www.ntv.co.jp/punch-drunk/articles/51693twrje5be5hbj2fn.html

新着MVランキング:Ado「ビバリウム」が映す自伝の深層 3:2の画角が生む閉塞から解放へのコントラスト

毎週更新される「YouTube Music Charts」ウィークリー ミュージック ビデオ ランキングより、MVをはじめとした…

Vaundy、Ado、King Gnu、back number……“自身初”記録を更新して塗り替える過去の自分

Vaundy、Ado、King Gnu、back numberらが、直近で次々と“自身初”の記録を更新している。これらを紹介し、…

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ニュース」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる