Leinaが路上ライブで紡いだ「当たり前じゃない」景色への感謝ーー孤独に寄り添い、人々の心に触れた夜

Leina、新宿・歌舞伎町 路上ライブレポート

 3月12日、19時50分過ぎ、新宿・歌舞伎町の東急歌舞伎町タワー横の広場に用意されたステージに、アコースティックギターを抱えたLeinaが姿を現した。路上ライブを行うことは事前に告知されていたため、Leinaのステージを目掛けてやってきた人はもちろん、ふらりと通りがかり「Leinaだ!」と駆け寄ってくる人もいたりと、ステージの前には幾重にも列が連なる。軽いサウンドチェックを終えたLeinaは客席エリアに目をやると、目の前にそびえ立つ新宿東宝ビルの壁に描かれたゴジラを見つけて「ねぇ、みんな! すごいお客さんがいる!」と目を輝かせる。そして、ファンとゴジラの温かい視線にほっとしたように目を細めると、ぽろぽろとギターをつまびきながら心地よさそうにハミングを重ね、「恋に落ちるのは簡単で」でライブをスタートさせた。

Leina(撮影=山川哲矢)

 ハスキーで柔らかなLeinaの歌声は強力な引力を持ち、路上ということを忘れてしまうほどリスナーの耳を奪っていく。さらに手拍子を誘った「どうでもいい話がしたい」、サビのフレーズをみんなで練習してから挑んだ「medicine」と、リスナーも巻き込みながら、声を張り上げたり、泣き出してしまいそうに顔を歪ませたりと全身全霊で、熱烈にラブソングを歌い上げていった。

Leina(撮影=山川哲矢)

 路上ライブはライブハウス以上に一期一会だが、この日Leinaは格別な再会を果たしたという。音楽を始めたばかりの17歳の頃によく出演していたライブハウス・下北沢Lagunaのスタッフが、この日のライブ会場でPAをしていたのだ。思わぬ再会に思わずライブ前に涙してしまったというLeinaは、活動初期を回想し「最初は一人もお客さんがいなかったけど、今はこうやって皆さんが足を運んでくださって。皆さんの応援が何年も重なって今があります。本当にありがとうございます」と噛み締める。

Leina(撮影=山川哲矢)

 そして、自身の音楽活動の始まりにまで思いを馳せ、孤独を感じてしんどかった中学生の頃、音楽を聴いて一人で泣いていたこと、だからこそ自分はそういう曲を書くべきだと思ったことを語った。改めて集まったリスナーに目を向けると「みんなの人生のすべてはわからないけど、もしあなたがしんどかったり悩んでいたりしたら、今から歌う曲があなたにとってのお守りというか……あなたに寄り添うことができたらいいなと思っています」と思いを込める。そして一息ついて「一生懸命歌います」とギターに向き合うと「君が死にたいっていうなら」を選曲。優しさを込め、丁寧ながらも熱を帯びた歌声で、集まった人々のみならず、寒空の下で歌舞伎町を行き交う人々すべてを包み込む。多くの人が呼吸をするのを忘れるほど彼女の歌声に聴き入っていた。

Leina(撮影=山川哲矢)

 ひとたび歌い始めると、街の喧騒からLeinaの歌声とギターの音だけが浮かび上がり、一曲が終わるごとに街の喧騒が戻ってくる。路上ライブならではの没入感と開放感を自在に操りながら、歌舞伎町の空気を掌握していくLeina。ライブ前日の3月11日にリリースした「キャリーバッグ」では、ブルージーな弾き語りアレンジに乗せて低音の艶やかな歌声を聴かせ、あっという間にライブはラストソングへ。ギターのカッティングに乗せてサビのフレーズを練習し、そのままツアーの告知を始めるも、彼女は集まったリスナーへの感謝を伝えている途中ではっとしてギターの手を止める。

 そして「ちゃんと話したい」と改めてまっすぐにファンと向き合うと、「路上ライブやりますって言ってこんなに集まってくれることも、ライブツアーをできることも、夢のZeppで二回目のライブができることも当たり前じゃない」「ツアーでもいいライブをしたいーーいいライブっていうのは、Leinaにとっては、あなたと向き合って、あなたの心に触れるようなライブ」「もっと歌もギターも上手くなりたい。きっとみんなも周りと比べて『自分はダメだな』って思うこともあると思うけど、お互い一緒に頑張って、また笑って会いましょう」と真摯な言葉を重ねた。そして「OK?」と笑顔を見せると、〈来世は貴方のギターになりたい〉〈今世は貴方の彼女になりたい〉というサビのフレーズが印象的な「うたたね」で力強い歌声を聴かせてライブを締めくくった。

 Leinaが「いいライブをしたい」と意気込んだ全国ツアー『Leina Live Tour 2026 “Jellyfish”』は、3月26日よりスタートする。

Leina(撮影=山川哲矢)

■セットリスト
M01.恋に落ちるのは簡単で
M02.どうでもいい話しがしたい
M03.medicine
M04.君が死にたいっていうなら
M05.キャリーバッグ
M06.うたたね

■ツアー情報
『Leina Live Tour 2026 “Jellyfish”』
2026年3月26日(木)福岡 DRUM LOGOS
2026年3月28日(土)愛知 NAGOYA CLUB QUATTRO
2026年4月16日(木)東京 Zepp DiverCity(TOKYO)
2026年4月19日(日)大阪 なんばHatch
2026年5月2日(土) 三創生活園區 CLAPPER STUDIO
2026年5月16日(土) /5月17日(日)YES24 WANDERLOCH HALL

詳細はこちら:https://lit.link/leinalivetour20242025ticketinfo

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