KAWAII LAB.全グループがKアリーナ横浜に集結 ブームからカルチャーへ――新時代への到達を示した4周年の祭典

カワラボ全グループがKアリーナ横浜に集結

 アソビシステムが手がけるアイドルプロジェクト・ KAWAII LAB.の4周年を祝う公演『KAWAII LAB. 4th Anniversary Special LIVE ~KAWAII LAB. SESSION vol.20~』が、2月14日にKアリーナ横浜で開催された。

 本公演は、音楽アワード「KAWAII LAB. BEST AWARDS 2026」をコンセプトに掲げ、FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE、SWEET STEADY、CUTIE STREETの4組を軸に、MORE STAR、KAWAII LAB. MATES、KAWAII LAB. SOUTHまでが一堂に会する特別な一夜となった。4周年という節目を“授賞式”という形式で可視化しながら、KAWAII LAB.の現在地と、その先に広がる未来を提示する構成だ。

 オープニングを飾ったのは、全組出演で届けられた『KAWAII LAB. BEST ALBUM』表題曲「CHU CHU CHU研究中!」。初のベストアルバムを象徴するこの一曲は、各グループ名のコールや楽曲フレーズが次々と織り込まれ、いわば“いまのKAWAII LAB.”を一気に紹介する自己紹介メドレーのようでもある。ステージと客席の声が噛み合った瞬間、アワードの幕開けにふさわしい祝祭感が、Kアリーナ全体へ一気に広がっていった。

 最初の部門「BEST KAWAII NEW GENERATION」では、未来を担う存在にスポットライトが当たった。KAWAII LAB. MATESの「わたしの進路が決まったら」は、タイトル通り“これから”へ踏み出す決意をまっすぐに映した一曲。完成度で押し切るというより、視線の強さとキラキラした笑顔で、その場の心拍を上げていく。ステージ経験を重ねていく途中にあるからこそ滲む瑞々しさが、観客の胸を打った。KAWAII LAB. SOUTHは、4人が欠席となり急遽5人編成で「Because of You」をパフォーマンスしたが、それでも勢いは落ちない。むしろ一人ひとりの熱が濃く伝わり、会場を一直線に駆け抜けていくような全力感があった。デビューを目指すグループとしての覚悟と高揚が、そのまま音と動きになって立ち上がる時間だった。

 「BEST SOLO KAWAII ARTIST」に選ばれた櫻井優衣は、白いドレスでステージに現れ、「キミのことが好きなわたしが好き」を歌い上げた。客席を埋める緑のペンライトが、まるで呼吸を合わせるように揺れ、歌声の輪郭をやさしく縁取っていく。グループのなかで見せる華やかさとはまた違う、ひとりのアーティストとしての説得力が際立った瞬間だった。MCでは、メジャーデビュー記念ソロコンサート『STORY – A Journey into Yui's Dream –』の開催に触れつつ、「KAWAII LAB.に支えていただいて、こうしてステージに立たせてもらえているので、いつもありがとうございます」と感謝を伝える。個人の挑戦が、プロジェクトの歩みと自然に重なっていく――そのことを、言葉でも空気でも実感させるステージだった。

櫻井優衣
櫻井優衣

 「BEST NEW KAWAII GROUP」を受賞したMORE STARは、「もっと、キラッと」「タイムライド」「ハグ!」を連続披露。最年少16歳、平均年齢17.8歳という若さを武器に、未完成であることを恐れず、むしろ“これから伸びる”ことを前提としたステージを見せる。KAWAII LAB. MATES時代から積み重ねてきた経験が、9人の動きや表情の揃い方ににじんでいた。Kアリーナ横浜でのデビューから2カ月、その歩みの早さもまた、このプロジェクトの勢いを象徴している。そして何より、筆者は昨年のこの場所で初お披露目となった山本るしあと鈴木花梨の姿を現地で目にしていたこともあり、あのステージの続きを、正式なデビューグループとして更新していく光景は感慨深かった。

 「BEST CALL&RESPONSE SONG」では、CUTIE STREETの「きゅーすとのうた」、SWEET STEADYの「すいすてたいむ」、CANDY TUNEの「絶対きゃんちゅー宣言っ!」、FRUITS ZIPPERの「うぇるかむとぅ~ざ♡ふるっぱー」を並べて披露。コール&レスポンスの形はグループごとに違う。だが共通しているのは、客席の声が入ってはじめて“曲が完成する”ように作られていることだ。観客の「叫ぶ」「返す」「一緒に言う」という動きが、演出の一部として最初から織り込まれている。だからこそ、この部門は4組それぞれのライブの強さを、そのまま見せる時間になっていた。

 なかでもFRUITS ZIPPERは、鎮西寿々歌が一発ギャグで会場を沸かせる一幕も。東京ドームで“卒業宣言”をしていたはずが、ここで再び“出戻り”のように笑いを回収し、しかも後にX(旧Twitter)で「一発ギャグではなく一発ハグ」(※1)と弁明するところまで含めて、らしさが詰まっている。コールの熱と笑いが混ざり合い、アワードの祝祭ムードに、もう一段明るい色が差した瞬間だった。

 「BEST FIGHT SONG」ではCANDY TUNEの「倍倍FIGHT!」が炸裂した。昨年のヒットチューンとしての存在感はやはり別格で、イントロが鳴った瞬間に客席のテンションが一段上がる。鼓舞する歌詞と高揚感のあるビートが噛み合い、自然と身体が動いてしまうタイプの楽曲だ。

 続く「BEST TITLE CALL SONG」を受賞したのは、SWEET STEADYの「YAKIMOCHI」。恒例となっている奥田彩友の「KAWAII LAB.は安定の居心地、YAKIMOCHI」という曲振りが飛び出すと、会場から歓声が重なっていく。パフォーマンス後にも奥田は「本当に光栄な気持ち〜、YAKIMOCHI!」と締め、言葉遊びを“お決まり”として育てていく彼女たちらしさが、いい意味で強く残った。

 FRUITS ZIPPERが「BEST THEME GROUP」として披露した「はちゃめちゃわちゃライフ!」は、TVアニメ『クレヨンしんちゃん』(テレビ朝日系)オープニングテーマとして知られる一曲。ポップでカラフルな世界観が、そのままKアリーナ全体を明るく染めていく。盛り上がる曲は数あれど、ライブで鳴らしたときの跳ね方が違う。会場の空気が一気に軽くなり、歓声が広がっていく感触があった。

 「BEST TOP SPEED GROUP」はCUTIE STREET。「ぷりきゅきゅ」「ゆめみるプリマドンナ」「ハッピー世界!」を連投し、テンポの速さに加えて、表情や動きの情報量で“かわいさ”を畳みかけていく。「BEST KAWAII SONG」では、CUTIE STREETの「かわいいだけじゃだめですか?」、SWEET STEADYの「カワイイコレクション」、CANDY TUNEの「レベチかわいい!」、FRUITS ZIPPERの「わたしの一番かわいいところ」が並び、“KAWAII”の解釈がグループごとに違うことがよく分かるラインナップに。ここで印象的だったのが、普段はおどけることも多い松本かれんが「ただいまご紹介に預かりました……」と、あえて丁寧に挨拶してみせた場面だ。授賞式の体裁を逆手に取ったようなギャップが、会場の笑いを誘った。

 さらにSWEET STEADYは「BEST SWEET GROUP」として「ハートの魔法」「Sweet Café」、そしてこの日デジタル配信されたばかりの「SWEET STEP」を披露。甘さを空気として漂わせつつも、歌とダンスでしっかり見せ切るバランスが強い。CANDY TUNEは「BEST EVOLUTION GROUP」として「hanamaru」「必殺あざとポーズ」「HAPPY BOUNCE BIRTHDAY」を展開し、グループの幅を提示していく。初披露された「HAPPY BOUNCE BIRTHDAY」は、立花琴未を囲む振付も印象的で、きゃんちゅーらしいバースデーソングとして会場を祝福ムードで包んだ。

 「BEST GO VIRAL SONG」では、CUTIE STREETの「かわいいだけじゃだめですか?」が披露され、古澤里紗の問いかけに観客が「いいよ!」と返す恒例のやり取りが会場を包む。最後に「BEST OF KAWAII GROUP」として登場したFRUITS ZIPPERは、「ハピチョコ」「好き、お願い」「ずっと、ずっと、ずっと!」を立て続けに披露。受賞の挨拶では、東京ドームを経た先に国立競技場を目指すことを宣言し、夢を叶え続ける覚悟を示した。

 4周年の節目に見えたのは、KAWAII LAB.が“かわいい”をひとつの型に固定せず、更新し続けているという事実だ。デビューを目指す世代のフレッシュさも、今の5組が見せる完成度も、ソロの挑戦も、同じステージでつながっていた。その象徴が、ラストの「KAWAII OF THE YEAR」だった。全員で「カワラボとばびゅーん!」をパフォーマンスし、世代も役割も異なるグループがひとつのステージに並ぶ。個々の色を保ったまま、最後はKAWAII LAB.としてひとつにまとまる光景が、このプロジェクトが単なるアイドルの枠を超え、ひとつのシーン/カルチャーとして育ってきたことを実感させた。

※1:https://x.com/suzuka_fz1124/status/2022638100904919367

KAWAII LAB. はバズからリアルへ デジタルの熱を動員に繋げる手腕――地位を確立し“時代”を作った2025年

バズからリアルへと存在感を示したKAWAII LAB. の2025年を振り返る。

Number_i、ENHYPEN、HANA、KAWAII LAB.ら12組集結 アジア発音楽カルチャーを世界へ『MUSIC EXPO LIVE 2025』レポ

Number_i、ENHYPEN、HANA、KAWAII LAB.ら12組が東京ドームに集結した『MUSIC EXPO LIVE…

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる