新着MVランキング:King Gnu「AIZO」×『呪術廻戦』による王道の更新ーーOSRINによる映像と和の融合に注目
MV Chart Forcus
毎週更新される「YouTube Music Charts」ウィークリー ミュージック ビデオ ランキングより、MVをはじめとした音楽関連の新着動画から上位10作品/楽曲を取り上げ、ランキング化&レビューしていく連載「MV Chart Focus」。1月16日〜1月22日のウィークリー新着のTOP10は以下の通り(※1)。
1位:King Gnu「AIZO」MV
2位:STARGLOW「Star Wish」MV
3位:Fujii Kaze(藤井 風)「It Ain’t Over」MV
4位:Hey! Say! JUMP「ハニカミ」from『Hey! Say! JUMP DOME TOUR 2025-2026 S say』
5位:ENHYPEN「Knife」MV
6位:MISAMO「Confetti」MV
7位:HANA「NON STOP」Choreography Video
8位:Mr.Children「Again」Lyric Video
9位:milet「The Story of Us」MV
10位:Aぇ! group「Again」MV
自身最速記録更新、1週間足らずでMV1,000万再生達成
今回取り上げるのは、King Gnuの「AIZO」。アニメ『呪術廻戦』第3期「死滅回游 前編」(TBS系)のオープニングテーマとして書き下ろされた楽曲で、1月9日の配信リリースに続いて、2月11日にはバンドとしては2023年9月の『SPECIALZ』以来となるCDシングルのリリースが決まっている。ボーカルのトップラインからギター、ベースの演奏、アンサンブルが織りなすめまぐるしい展開に至るまで、粋な演出が詰まったKing Gnuらしい1曲だ。
ドラムンベース風のアップテンポなビートとバンドサウンドの組み合わせは、常田大希(Gt/Vo)が参加した米津玄師「KICK BACK」を思い起こさせる。「ミクスチャー」とか「デジタルロック」なんて時代がかった言い方をしたくなるような折衷感だ。じっくりと聴いて要素を取り出すと、過剰なまでの詰め込み・圧縮感も覚える(たとえば笙や三味線といったこれみよがしの“和”要素など)が、全体の印象はスマートで耳触りもよい。この点でも、King Gnuらしさが感じられる。
YouTubeにて公開されたMVは、1週間足らずでの1,000万再生を達成。これはバンドとしても最速記録だという(※2)。YouTubeの音楽チャートで首位を獲得するのも当然、人気バンドと人気アニメの相性抜群のコラボレーションなだけあって、さすがの注目度だ。MVのディレクターはPERIMETRONのOSRINで、カートゥーン的なデフォルメの効いた3Dゲームの世界と密室でのバンドの演奏風景が交錯する。クライマックスの演奏シーンでは部屋の周囲に待機していた白ずくめのモブがモッシュのようにバンドとともに暴れ回り、カオティックな様相を呈していく。3Dシーンのキレとユーモアに対して、モブも含めた演奏シーンの当て振りが少しラフな印象があり、そのぶん演奏する姿のダイナミックさが薄れているようにも感じられるけれど、疾走感あふれるスタイリッシュなインパクトは楽曲にフィットしている。
とはいえ、「AIZO」は「King Gnuの王道を新たに更新した楽曲」という常田の言葉(※3)にも窺えるように、King Gnuらしさをアップデートしつつ“再演”したような楽曲だ。その意味では、2025年リリースの「TWILIGHT!!!」や「SO BAD」のほうが、バンドのポテンシャルを感じるものだったように思う。特にトレシージョのリズムを前面に押し出したラテン要素強めの「TWILIGHT!!!」は、King Gnuのメロディアスな側面とバンドとしてのアンサンブル、そしてダンサブルなサウンドを活かした路線として興味深かった。次に彼らがどんな一手を打つか、引き続き注目したい。
※1:https://charts.youtube.com/charts/TopVideos/jp/weekly
※2:https://www.sonymusic.co.jp/artist/kinggnu/info/580522
※3:https://kinggnu.jp/news/in.html?id=579847

























