新着MVランキング:氷川きよし「ズンドコ節」はなぜ新しく響くのか 『THE FIRST TAKE』で放つインパクト
MV Chart Forcus
毎週更新される「YouTube Music Charts」ウィークリー ミュージック ビデオ ランキングより、MVをはじめとした音楽関連の新着動画から上位10作品/楽曲を取り上げ、ランキング化&レビューしていく連載「MV Chart Focus」。12月12日〜12月18日のウィークリー新着のTOP10は以下の通り(※1)。
1位:氷川きよし「きよしのズンドコ節」THE FIRST TAKE
2位:AK-69「And I Love You So 2026 Remastered」Official Video
3位:BE:FIRST「街灯」Dance Practice
4位:藤原ハガネ「にゅー!支配者のキャロル」MV
5位:Vaundy「ずっとラブソング」MV
6位:ジョン・ヨンファ(CNBLUE)×優里「외톨이야 (I'm a loner)」
7位:MAZZEL「King Kila Game」from『MAZZEL 2nd One Man Tour 2025 "Royal Straight Flush"』
8位:BE:FIRST「街灯」Behind The Scenes
9位:B&ZAI「なつ♡あい」from『PIA MUSIC COMPLEX 2025』
10位:Fujii Kaze「Hachikō」Behind The Scenes
今回取り上げるのは、さまざまなアーティストが一発撮りのパフォーマンスを繰り広げる『THE FIRST TAKE』で氷川きよしが披露した「きよしのズンドコ節」。いまやお馴染みとなったあの空間に、鮮やかな赤いスーツに身を包んだ氷川きよしが登場。コーラス隊を従えて代表曲を堂々と歌い上げ、ラテンパーカッションが軽快な原曲に、重めのキックと歯切れのよいスネアで刻む4つ打ちを重ねたアレンジもほどよく現代的だ。しかしなにより、しなやかで軽やかな身のこなしから飛び出すパワフルな歌声が、『THE FIRST TAKE』の面目躍如というべきインパクトを残している。『THE FIRST TAKE』で演歌が歌われるのは今回が初ということもあり、こぶしの効いた歌唱は特に新鮮に感じられた。
昨年、自身の公式YouTubeチャンネルにてフルで公開された「きよしのズンドコ節」のMVを観てみると、若き日の氷川がミラーボールの下、白いスーツで歌い踊る『サタデー・ナイト・フィーバー』風の演出にやや面食らう(4つ打ちの新アレンジのほうが合いそうだ)。アイドル的な人気を博したのも頷けるフレッシュさだが、しかし赤いスーツの2025年の氷川も同じくらい、というかもっと華やかなオーラを放っているのはさすがだ。
また、12月19日には『THE FIRST TAKE』にて「きよしのズンドコ節」とは対照的な青い衣装に身を包んだ氷川が、今年7月にリリースしたばかりの壮大なJ-POPスタイルのバラード「白睡蓮」のパフォーマンスを披露している。同チャンネルではアーティストを代表する名曲と、その現在形を示す最新曲の2曲をセットで見せるパターンが多いが、今回の氷川はそのコントラストがとりわけ印象的だ。歌手活動の休養を経て、デビュー25周年イヤーを走り抜けた氷川だが、年末には『第76回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)に特別企画で出演し、美空ひばりの「愛燦燦」を歌う予定となっている。
2019年11月にローンチした『THE FIRST TAKE』も、先ごろ6周年を迎えたばかり。まだ6年程か、という気がしてしまうほど『THE FIRST TAKE』の存在はもはや“当たり前”になっている。本連載で取り上げている「YouTube Music Charts」でも、『THE FIRST TAKE』の動画は非常に存在感が大きい。
今回の「白睡蓮」に付された通し番号は実に622を数える。これだけの数があれば当然とも言えるが、意表を突いてくるアーティストの選定も多く、12月15日に韓国インディシーンの筆頭といえるSilica Gelが登場したのには驚いたし、個人的にはtoeの登場も印象深かった。話題性も備え、広い知名度も獲得した『THE FIRST TAKE』。今後も本連載でパフォーマンス動画を取り上げることが多々あるだろう。
※1:https://charts.youtube.com/charts/TopVideos/jp/weekly

























