KOTORI 横山優也×さよならポエジー オサキアユ 音楽で追求する自分自身、バンドに懸けるロマンーー『LOCAL MATCH』対談

KOTORI横山×さよならポエジー オサキ 対談

 KOTORIが主催し、「行きたい場所で対バンしたいバンドと共演する」ことを掲げた対バンツアー『LOCAL MATCH 2026』が1月23日より開幕となる。そのうち、2月19日(札幌 SPiCE)、21日(旭川 CASINO DRIVE)、22日(苫小牧 ELLCUBE)に行われる北海道3公演に出演するのが、さよならポエジーだ。10年来の仲で、これまで何度も対バンを重ねてきた両者だが、今回の『LOCAL MATCH 2026』に向けてフロントマンであるKOTORI 横山優也(Vo/Gt)、さよならポエジー オサキアユ(Vo/Gt)による対談が実現した。互いの交流やライブへのイメージ、ルーツや音楽をやり続ける意味に至るまで、居酒屋で盃を交わしながらざっくばらんに、そして熱く語り合ってもらった。(編集部)

トラブルでユナイト!? 両バンドの出会いのきっかけ

横山優也(以下、横山):最近、たまに足の親指の付け根が痛くて。

オサキアユ(以下、オサキ):痛風や!

横山:上坂(仁志/Gt/Cho)に話したら「じゃあ今から痛風チェックします」って、チェックリストみたいなのを読み上げてくれたんだけど、足の付け根が痛い以外何も当てはまらなくて、まだ大丈夫だって思った……ってこんな話から始まっていいの(笑)? とりあえず乾杯するか。

横山・オサキ:乾杯ー!

KOTORI 横山優也×さよならポエジー オサキアユ 撮り下ろし写真

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ーー今日は『LOCAL MATCH 2026』に向けて、主催のKOTORI・横山さんと、同ツアーの北海道3公演に出演するさよならポエジーのオサキさんが、お酒を飲みながらざっくばらんに語るという企画です。まずは『LOCAL MATCH』とは、どういう思いで始まったものなのかを教えてください。

横山:普通、自分の住んでいる場所以外の土地に行くときってだいたい観光地に行くと思うんですが、僕たちはツアーをしているので、旅行では行かないような場所にも行く。そうすると、カルチャー含めてその土地が好きになるんですね。僕らはそういうものを大切にしたい。それで始めたのが『LOCAL MATCH』です。端的に言うと「行きたい場所に行きたい人と行く」というツアーです。

ーー“行きたい場所に行きたい人と行く”という『LOCAL MATCH』で、今回、北海道3公演の対バン相手としてさよならポエジーを招いたのはどうしてですか?

横山:単純に一緒にやりたかったから。ぶっちゃけた話、集客の担保も必要じゃないですか、ツアーって。その点でもさよならポエジーなら安心感があったし。

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横山優也(KOTORI)

ーーオサキさんは誘われたときどう思いましたか?

オサキ:「なんで2月の北海道やねん」と思いました(笑)。でも僕も北海道は大好きで。だけど何十回も行っているわけではないので、そういう土地に誘ってもらえるのはやっぱり嬉しいですね。ただ、KOTORIといろんな場所に行くのって至極当然のことのように感じているので、誘われたことが嬉しいというよりも、「今回は北海道ね、承知しました」みたいな感じでしたね。もちろん、ありがたみは感じていますけど。

横山:本当に一緒にやるのが当たり前すぎて、「また一緒でいいのかな」っていう気持ちにもなるけど。

オサキ:そうなんよ。でも、何度やっても毎回いいしな。

横山:そう。お客さんも僕らの関係性を知ってくれていて対バンを喜んでくれる感じがする。

オサキ:そうだね。

KOTORI 横山優也×さよならポエジー オサキアユ 撮り下ろし写真
オサキアユ(さよならポエジー)

ーーそもそも2組が仲良くなったきっかけは何ですか?

横山:出会いは僕らの1stミニアルバム『tokyo』(2016年)のツアーです。

オサキ:これまた誘ってもらったライブで。

横山:トラブルがあって、「最悪だ」「俺たちはこれに負けずに頑張ろうな」って妙に一体感が生まれたんですよ。

オサキ:トラブルのおかげでユナイトしたよな。KOTORIは、リリースツアーだったのにツアーの物販に『tokyo』が置いていなくて。たぶんそれは戦略やったんやと思うけど、怒った記憶があります。「買おうと思ったんやけど、ないやん!」って。

横山:それまで俺らは自費で作っていたから、あんまりよくわかっていなかったんですよ。

オサキ:そのときは、そういうやり方やったってことね。

KOTORI -「19歳」-【Official Live Video】

横山:そう。もともと僕はアユくんの地元の後輩と友達で。その友達の家に泊まりに行ったときに、さよならポエジーの曲が流れていて知ったんですよ。そのとき「俺と声が似てるな?」って思った。今はもう全然違うんですけど、当時声高かったよね?

オサキ:高かった。

横山:だからずっと聴いていた人と、トラブルに対する文句という共通言語ができて(笑)。そこでかなり距離が縮まった感じはしましたね。

KOTORI 横山優也×さよならポエジー オサキアユ 撮り下ろし写真

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「さよならポエジーを観ていると、音楽って必要なんだなって思う」(横山)

ーーライブの印象はどうでしたか?

横山:カッコよかったですよ。今はもうアユくんとも普通に話すので、優しい人だと知っていますけど、最初はそのイメージがなかったから、ライブではシュッとしているというか。

オサキ:張り詰めてたよな。

横山:そうそう。ずっと真面目でした。まさか、こんなにかわいい人だったなんて(笑)! その後も対バンは結構していましたけど、ずっとそのイメージでした。なんか気安く話しかけられない、みたいな。

オサキ:僕自身、結構長い間そういう時期だったんですよね。よこちん(横山)は音楽を通じて人と仲良くなれるし、フレンドシップが備わっている人だと思うんですけど、僕は自分の音楽とか自分のライブに対して必死すぎて余裕がなかった。それに、そうやって真面目に取り組むことは間違っていないと思ってた。だけど、実はよこちんがそれを優しく崩してくれていたんだと思う。よこちんは僕と話したいと思ってくれていただろうし、僕も話したら悪い人じゃないと思うし(笑)。

横山:話したら、むしろ同じ考えを持っている人でした。

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オサキ:よこちんは「音楽を通してお客さんを喜ばせたい」「自分も音楽を通して幸せになりたい」という考えの人なんですけど、僕はシンプルなその答えに行き着くのにすごく時間がかかって。もちろんライブや音楽は楽しいですよ? だけど、それよりも「今日、ちゃんと演奏できなかったな」とかそういうことを真っ先に考えてしまうので、よこちんが羨ましかった。「ええなぁ」「俺も音楽抜きやったら大丈夫やのにな〜」って。

横山:そういう姿に美しさを感じる人もいますからね。KOTORIってよく「寄り添ってくれる」って言われるんですけど、俺の寄り添い方って何かから抜け出して「楽しいね」と言える状況にいる人に対する寄り添いで。だけど実際は、そこに辿り着くまでが大変なわけじゃないですか。「音楽楽しいね」って思えるまでが大変。そこに対して寄り添ってくれるのが、さよならポエジーなんだと思う。だからさよならポエジーって本当に必要な音楽だと思うんですよね。僕らは必要でなくてもよくて。言ってしまえばお酒みたいな存在。

オサキ:あー。お酒を買うためには働いて生きていかないといけない。そういうことを言っているのがさよならポエジーなんだ。

さよならポエジー - 頬 ( LIVE at Spotify O-EAST )

横山:そうそう。寄り添うってたぶんそういうことだと思うんですよ。楽しいときにそばにいるんじゃなくて、辛いときにそばにいてくれる。さよならポエジーのライブを観ていると、音楽って必要なんだなって思う。俺は全員のことを考えすぎるとよくなくなっちゃうんですよ。それまでは、頑張ればすべての人に満遍なく手を差し伸べられると思っていた。だから、そうできないことに落ち込んでいたんですけど、今は「同じ気持ちの人がいたらいいや」っていうスタンスになって。そのスタンスになってからはめっちゃ楽になりました。

オサキ:とはいえ、よこちんはライブハウスに集まった人、自分たちのライブやイベントに遊びに来てくれた人のことは広く考えていると思いますけどね。そういうリーダー的な人がいないと、お客さんは面白くないんですよ。じめっとしたライブを好む人もいると思いますけど、そういう空気のままではイベントって終われないし。そういうことを買って出てやってくれるのがよこちんなのかなって。そうやってお客さんが喜んで帰ってくれることで、バンドの喜びに繋がるし、こんなにみんなが笑っている姿を見て、俺も楽しいなと思うし。

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