WINO、解散を経て本格始動へ 23年ぶりの復活ライブで示した音源以上の衝撃、“落ちながら昇る”不変の力

WINO、23年ぶり復活ライブレポ

新曲「Only time knows」も披露、絶望の先で“朝”を歌う独自性

 印象に残っているのは、3曲目「New Dawn F」だ。Joy Divisionに強くインスパイアされた直角のビートと、メロディアスなベースラインにギターリフ。そこに、マンチェ感のあるグルーヴとロッカバラッド風のメロディが絡まる。3rdアルバム『DIRGE No.9』で示されていた方向性が、ライブでより強調されていた。この組み合わせは、2025年までまだ誰も試みていないWINOオリジナルのスタイルだ。あのスタイルを受け継ぐ若手のバンドやアーティストが出てきてもいいのに。もっと可能性があるフォルムなのに。そんなことを思う。

『afterwords:WINO』(撮影=藤井拓)

 今回のライブ全体のフィーリングは、以下のフレーズが象徴していた。

 〈朝がきたなら/さあ目を閉じて/僕は変わるんだ/僕は変われるさ〉

 吉村がアコースティックギターを抱えて歌い出した「Velvet」の一節。音響のよさと相まって、この言葉が直接胸に響いてきた。WINOの曲を聴いていると、“夜明け”を迎えるシーンにたびたび出くわす。何度も夜の雨の冷たさに打ちひしがれた。ひとりぼっちの寒さが、体を何時間も震わせた。そのたびに、また夜明けの太陽に出会った――。「太陽は夜も輝く」「LOADED」「Go Straight Song!」。それぞれの曲が、常に新しい朝を示していた。

『afterwords:WINO』(撮影=藤井拓)

 ギター2本の絡みが空の広がりを思わせる新曲「Only time knows」では、このように歌われる。

 〈陽が暮れる様に落ちてく花を〉〈日が昇る様に抱きしめたのさ〉

 落ちていく時間も、夜明けとして受け止める。愚かなほどあっけらかんとした力が、WINOの楽曲とパフォーマンスにはこもっている。そのフィーリングは、きっと23年前も今も変わっていないのだろう。そう、太陽は夜も輝く。この夜も、WINOは落ちながら昇っていた。

■セットリスト
『afterwords:WINO』
2025年12月28日(日)東京・LIQUIDROOM

M01.The Action
M02.EVERLAST
M03.New dawn F
M04.Wild Flower
M05.ain't gonna lose
M06.Tomorrow
M07.Sullen days
M08.Velvet
M09.太陽は夜も輝く
M10.My Life
M11.Only time knows
M12.LOADED
M13.White Room
M14.Devil's own
・Encore 1
M15.Go straight song!
M16.Inhaler
M17.Love is here

■放送情報
音楽チャンネル「MUSIC ON! TV(エムオン!)」
『M-ON! LIVE WINO 「afterwords:WINO」』
放送日時:2026年1月28日(水)22:00~23:30
番組詳細はこちら:https://www.m-on.jp/info/news-topics/2025/12/10/304613/

Oasisは最高峰のロックバンドとして帰ってきた――名曲の凄みを惜しみなく届けた東京ドーム公演

待望の再結成を果たしたOasisが、16年ぶりの来日公演となる『Oasis Live '25 JAPAN』を開催。10月25日・…

Suchmosが一貫して伝える“自由”の意味 横浜アリーナ、復活への大歓声を先導したバンドの矜持

Suchmosが6月21・22日、ワンマンライブ『Suchmos「The Blow Your Mind 2025」』を横浜アリー…

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる